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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

スシローも大打撃! SNSで拡散される迷惑行為「バカッター」の歴史と企業側に求められる対応

スシローでの「バカッター騒動」が世間を騒がせている(時事通信フォト)

スシローでの「バカッター騒動」が世間を騒がせている(時事通信フォト)

 1月29日に回転寿司チェーン「スシロー」での迷惑行為を撮影した動画が投稿され、大きく拡散された。SNSでこうした写真や動画を公開する行為は「バカッター」と呼ばれるようになって久しいが、バカッター被害に遭った企業は、どのような対応をとるべきなのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏がバカッターの歴史を振り返りつつ、今回の騒動を解説する。

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 今ではその舞台はツイッターに限りませんが、愚行写真や動画をネットに上げる行為を総称して「バカッター」と呼びます。そして、回転寿司チェーンといえば、昔から「バカッター」が多く発生する場所でした。古くは醤油さしの先端を鼻の穴の中に入れる写真を投稿したものが有名です。最近でも他人が注文した寿司を勝手に食べたり、他人の寿司にワサビを塗るなどの動画がネットに公開される例が見られました。また、従業員が一旦ゴミ箱に落ちたハマチをまな板に戻す様子が動画に撮影され、炎上したこともありましたね。

 そして今回、スシローの店舗にて、高校生男子が流れてくる寿司に唾を塗ったり、湯呑を舐めて戻したり、醤油さしの口の部分をくわえるなどしたバカッター動画が波紋を呼んでいます。これまでのバカッターの中でもかなり悪質なものだと思います。店舗は保護者と男子から謝罪を受けていると言いますが、醤油さしはすべて入れ替え、湯呑も洗浄しなければならないなど、“実害”が発生。さらにはネットやメディアで「回転寿司=不潔・客筋が悪い・悪ふざけをしていい場所」というイメージで取り上げられたのも大打撃です。

 1月31日には、スシローを運営する「FOOD & LIFE COMPANIES」の株価が大きく下落し、「時価総額が160億円減少した」と話題になりました。もちろん、このバカッター騒動だけがその理由とは限りませんが、株価にマイナスインパクトを及ぼしたのは間違いないでしょう。

 登山家の野口健氏はツイッターで〈こういう画像を見てしまうと、回転寿司に行きづらくなる…。こういう輩がでてくると、監視カメラを大幅に増やさないといけなくなる。その費用は…。〉と嘆きました。そうなのです。このような非常識な客による不潔な被害に遭うことを懸念し、回転寿司を外食の選択肢から除外する人も出てくるかもしれない。店舗側は再発防止のためにカメラの台数を増やしたり、自分の注文したもの以外には触れられないシステムの導入も検討することになるかもしれません。

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