中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

スシローも大打撃! SNSで拡散される迷惑行為「バカッター」の歴史と企業側に求められる対応

バカッターを行うのは「客」と「従業員」の2種類

 バカッターの元祖は、2007年、吉野家の店員が「すき家」のヒット商品「メガ牛丼」に対抗すべく、フザけて「テラ豚丼」をまかないメシで作りその悪ふざけする様子をニコニコ動画に公開したことでしょう。以後、2013年に猛威を振るい、一時下火になりますが2017年に復活。その後、2019年頃には、動画をネットに公開しやすくなったことで、静止画時以上のインパクトを持つようになり、テレビがこぞってバカッター動画を紹介するようになりました。

 バカッターを行うのは、【1】客【2】従業員(バイト)の2種類があり、従業員が行う場合は「バイトテロ」とも呼ばれます。まさに商業施設は、内にも外にも油断のならない敵を抱えた状態です。

 こうした状況下で世の共感を集めるには、適切な再発防止策の発表と、加害者への法的措置も含めた断固たる対応が求められます。たしかにバカッターの初期の頃は「そうはいっても、お客様にそこまでやるのは……」といった空気感もありました。しかし、いつしかそうした空気感も薄れ、バカッター被害に毅然とした対応をとる企業には、ネットの応援の声が相次ぐようになりました。

 今回のスシローの件も、すでに警察に被害届を提出済みで、「迷惑行為を行った当事者と保護者から連絡があり、お会いして謝罪を受けましたが、当社としましては、引き続き刑事、民事の両面から厳正に対処してまいります」(「FOOD & LIFE COMPANIES」公式サイトより)としています。今後も企業側には、こうした強い姿勢が求められるようになるでしょう。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『捨て去る技術 40代からのセミリタイア』(インターナショナル新書)。

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