森口亮「まるわかり市況分析」

【日本株を上回る上昇】ナスダックは2023年後半も強いのか 3つのアノマリーから分析

ナスダックの1月からの上昇率は30%以上になっている(写真:イメージマート)

ナスダックの1月からの上昇率は30%以上になっている(写真:イメージマート)

 ここのところ日本株の強さが目立っているが、1月からの上昇率では米国のナスダック(NASDAQ)がより高いパフォーマンスを示している。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが、過去のデータを分析しながら今後の米国株の見通しを解説する。

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 上半期が終わり、4月以降の日本株の強さが目立ちました。しかし、実は1月からの上昇率を見ると、ナスダックは+30%以上のパフォーマンスを示し、日経平均株価を上回っています。ナスダックと米国株式市場は好調な上半期を終えましたが、下半期も強さを維持できるのでしょうか。今回はアノマリー(経験則)の観点から3つの傾向を紹介します。

【1】7月は最も強い月になりやすい

 2009年以降の経験則から、7月は米国株式市場において上昇率が高い傾向があります。S&P500やナスダックでは7月が最も上昇率の高い月であり、ダウ平均も2番目にパフォーマンスが良い月となっています。

 2009年以降のデータによれば、S&P500は月平均で3.3%上昇し、ナスダックも4.1%上昇しています。ダウ平均も2.8%上昇しており、これは最も上昇率が高かった11月の2.9%を僅かに下回る程度です。また、2014年以降は、これらの株価指数が7月に下落したことはありませんでした。ここから、上半期のスタートは堅調であることが期待されます。

【2】上半期に強いと、下半期も強くなる

「上半期効果」という言葉をご存じでしょうか? 上半期効果とは、上半期(1月から6月まで)の株価上昇率が高い場合、下半期(7月から12月まで)も株価が上昇しやすいという傾向を指しています。実際にナスダックにおける過去のデータを見ると、2009年、2019年、そして2020年において上半期効果の傾向が見られました。

・2009年:上半期+16.2%(安値からは+45.0%)、6月終値~12月の上昇率+23.7%
・2019年:上半期+23.0%(2018年12月24日につけた安値からは+29.1%)、6月終値~12月の上昇率+12.1%
・2020年:上半期+9.9%(安値からは+51.7%)、6月終値~12月の上昇率+28.1%

 あくまでも過去の経験則なので、今後もそうなると断言できるものではありませんが、2023年のデータを見ると、過去の3年間を超える30%以上の上昇がありました(前年の安値から見ると36.7%の上昇)。上半期効果に意識を向ける投資家が増える可能性もあるのではないでしょうか。

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