マネー

「何か悪いこと企んでいるんだろう」と睨まれて… 高齢者施設・福祉の現場から漏れる「マイナ保険証」申請・管理への不安

「マイナ保険証」への不安はつきない(写真:イメージマート)

「マイナ保険証」への不安はつきない(写真:イメージマート)

 マイナンバーカード(マイナカード)を巡る大混乱が続いている。健康保険証と一体化した「マイナ保険証」については、他人の情報が紐付けられているなどの事例が相次いで明らかになり、2024年秋をもって従来の保険証を廃止するという拙速な政府方針に批判が集まっていた。7月11日になって厚生労働省はどの公的医療保険のものかにかかわらず、従来の保険証を継続して使用できる猶予期間を一律で2025年秋までの1年間とすることを明らかにした。“泥縄式”での対応が続いているが、とりわけ高齢者施設の関係者からは入居者のマイナ保険証の管理などについての不安の声が依然として多くある。

 高齢者施設では、医療機関との連携など様々な場面でスムーズな対応をするために、入居者の保険証を預かるなどしているところが多い。ただ、それが暗証番号を設定するなどして様々な個人情報と紐付けられるマイナカードと一体化すると、これまでと同じような管理体制でいいのかといった不安の声が全国であがっていた。そうした状況を受け、総務省は認知症などでマイナカードの管理に不安がある人を対象に、暗証番号を設定しなくても、カードの交付ができるよう方針を転換したものの、それで懸念が一掃されたわけではない。

「暗証番号なしのマイナ保険証が作れると言われても、不安は残りますね」

 そう話すのは特別養護老人ホーム「さくらの里山科」(神奈川県横須賀市)の若山三千彦理事長だ。

「報道などを見る限り、この先どうなっていくかは流動的に見えます。マイナ保険証への移行については、うちでもまだ様子見の状態。暗証番号の登録が必要なくなったとしても、不安は残ります。とはいえ、国の方針が変わらなければ、どこかでマイナ保険証への移行は実施される。すべての入居者のご家族がきちんと対応してくれたらいいのですが、期待できないご家族もわりと多いような気がしています。

 そうなれば私たちのほうで申請等の対応しなければならない可能性が出てきます。マイナカードすら作っていない方がほとんどですから、そこからの対応になるわけです。重度の認知症や、寝たきりの状態で顔写真の撮影が難しい方も多く、とうすればいいのか、今から頭が痛い問題です」

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。