キャリア

専業主婦から「世界の山ちゃん」の経営者となった山本久美さん カリスマ経営者と言われた夫の後を継ぐ重圧

『てばさ記』は月1回、毎号手書き。出産で入院中もベッドで執筆した

『てばさ記』は月1回、毎号手書き。出産で入院中もベッドで執筆した

 とはいえ、カリスマ経営者と言われた天才肌の夫の後を継ぐのはかなりの重圧でした。なんせ私は夫とは真逆のタイプ(笑い)。子供の頃から、人一倍がんばらないと何もできない子でした。座右の銘の「努力にまさる天才なし」を胸に、学業も部活もコツコツ努力してきました。反対に努力すれば道は開けると思っています。

 その信条はいまも同じ。代表になってからはまず幹部を集め、「ちょっと年をとった新入社員が入ってきたと思って、いちから教えてください」と頭を下げました。偉そうにしていても、誰も助けてくれません。いまこそ皆さんの力が必要なので、一緒に会社を成長させていきましょうと話しました。

 あの日から7年──この春、次女が関東の大学に入学したので、いまは3人暮らしになりました。夫がいたときと変わらず、朝食は家族一緒に食べています。

 専業主婦から一夜にして代表取締役就任なんて、まるで韓国ドラマの主人公みたいですよね。人生って、本当に何が起こるかわかりません。

 でも私は、悪いことがあったり、失敗しても、引きずりません。その代わり、これは次に成功するために運をためているんだと思うようにしています。これは専業主婦時代から変わりません。

 夫は生前、「社員は家族」と言っていましたが、専業主婦時代の経験や習慣があるからか、いまは夫の言うことがよくわかります。私は家庭でも会社でも“親”。代表なんて大層なものではない。社員たちと笑って会話ができる関係を築き、そこから生まれるサービスが、お客さまに満足してもらえればいいと思っています。

【プロフィール】
山本久美(やまもと・くみ)/1967年、静岡県静岡市生まれ。大学卒業後、名古屋市内の小学校教諭となる。男子ミニバスケットボールの監督として全国で3度優勝の実績も持つ。2000年、結婚を機に退職。2016年夫の急逝により代表取締役となる。3児の母。

※女性セブン2023年8月3日号

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