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【時給600円のパートから社長に】ブックオフ元社長・橋本真由美さん “主婦なら当たり前の仕事”でも評価されることが励みに

専業主婦だった橋本真由美さんの人生を変えたのは、一枚のチラシだった

専業主婦だった橋本真由美さんの人生を変えたのは、一枚のチラシだった

 時給600円のパート主婦が、まさかの社長に──。そんな驚くべき人生を歩んでいるのが、ブックオフコーポレーション元社長・橋本真由美さん(74才)だ。その経験はきっと働く主婦たちの希望になるのではないだろうか。橋本さんに、その半生を振り返ってもらった。

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《ブックオフ1号店 オープニングスタッフ募集》。夫(当時43才)が読んだ新聞を片づけていたときにふと目に入った一枚のチラシ──当時、外に働きに出たいと思っていた私は、学生時代に取った栄養士の資格を生かしてある企業に応募したものの採用されず、どうしようかと思っていたときでした。

 しかもチラシには、《誰でもできる》《お好きな時間にどうぞ》と書いてある。これって、専業主婦にとって魅力的ですよね。それで、お掃除とかでいいのかしら、それくらいしかできないし、と軽い気持ちで応募したんです。1990年4月、41才のときでした。

 これが私と後のブックオフコーポレーションの出合い。運命というには大げさかもしれないけれど、このチラシが私の人生を大きく変えることになったんです。

最初は時給600円から

 2才年上の夫とは23才で結婚しました。お互い福井県の小さな町の出身。夫が外で働き、妻は家を守る。家事・育児は妻のワンオペが当たり前。親戚も家族も、妻が外に働きに出るなんてあり得ない、夫の稼ぎが悪いと思われる、といった価値観の中で生きてきました。

 ですから、もちろん私も41才までの18年間は専業主婦。育児にも家事にも全力投球する性格で、2人の娘の食事はお菓子まで手作りでしたし、教育ママになって勉強もしっかりさせ……と、家族に全情熱を注いでいました。

 ところが、娘たちが中学、高校と成長するにつれ、手はかからなくなったけれど、塾代などのお金がかかるようになったんです。夫の稼ぎだけで食べていけないわけではないけれど、将来のことを考えると少々心もとない。それで、外に出て働いてみようと思ったんです。とはいえ、「女が働くなんて」という夫ですから、パートに出る許可をもらうまでが一苦労。結局最後は夫が根負けしてくれましたが……。

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