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統一地方選で“過去最多の女性議員当選”でも割合はわずか14% 女性議員比率を高めるためにすべきこと

現役女性国会議員114人アンケート永田町「ジェンダーの壁」(その1)

現役女性国会議員114人アンケート永田町「ジェンダーの壁」(その1)

現役女性国会議員114人アンケート永田町「ジェンダーの壁」(その2)

現役女性国会議員114人アンケート永田町「ジェンダーの壁」(その2)

現役女性国会議員114人アンケート永田町「ジェンダーの壁」(その3)

現役女性国会議員114人アンケート永田町「ジェンダーの壁」(その3)

「女性政治家のロールモデルを作る」ことが必要

 ただし過去最多といえども、道府県議の当選者に占める女性の割合は14%にとどまる。日本に必要なのはさらなる意識と制度の改革だ。

「例えばデンマークは有権者教育に熱心で、政治家が頻繁に小学校などを訪れて児童と対話する時間を設けていますが、日本で政治家と会ったことがある小学生がどれだけいるでしょうか。また日本は参議院だと30才まで被選挙権がないので若い世代の興味関心の対象にならない。海外は選挙をお祭りのように楽しみますが、日本は公職選挙法の制約が多く、若者が政治を身近に感じられる取り組みがなかなか実現しません」(大門さん)

 日本維新の会の石井苗子参議院議員もこう語る。

「まずは女性の候補者割合を35%にするという国の目標達成に向けて、 政党が女性の活動をサポートしたり政治参加を推進する法的な枠組みの整備が必要だと感じています。 メディアやSNSを活用した情報発信、対話を積極的に行いたいですね」

 社会が少しずつ変化の兆しを見せる中で、鈴木議員らが声を揃えるのは、「女性政治家のロールモデルを作る」ことだ。女性議員の「働き方改革」もそのひとつ。今春の統一地方選で鈴木議員は地元の北海道・釧路で36才のシングルマザー候補の応援演説に立った。通常、選挙戦は朝8時から夜8時まで行われるが、鈴木議員はこの候補者にこう助言した。

「選挙活動は子供を保育園に送った後の9時から、迎えに行く夕方5時までにするのはどうかと提案しました。その後は、子供を寝かしつけた後にインスタライブをしたり、自分にできることをやった方がいいと考えました」

 鈴木議員が振り返る。

「無理に男性と同じように戦わなくても、独自の選挙活動をすればいい。支援者には『彼女は子育てを頑張りながら政治を志している。従来の政治家像にとらわれぬ候補による新しい政治を築いていこう』と街頭で伝えさせていただいた。その人らしい働き方を有権者が選ぶこと思うことが、政治の新しい形につながると思います」

 女性がライフスタイルを維持したまま選挙に出馬する。この流れが国政に届くことを鈴木議員は願っている。

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