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統一地方選で“過去最多の女性議員当選”でも割合はわずか14% 女性議員比率を高めるためにすべきこと

「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2023」で政治分野のスコアが日本は146か国中138位と世界最低レベル

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女性議員は「数を増やす」ことがゴールではない

 かように、女性の政治参画はその必要性が訴えられるところだが、ただ無尽蔵に女性議員の「数」を増やせばいいというわけではない。必要なのは「女性の声」を単に大きくするのではなく、議論に多様性をもたらすことだろう。

 鈴木議員は2018年に女性として初めて防衛大臣政務官に任命された。北朝鮮がミサイルを発射するなど有事の際には「緊急登庁」もあったが、あるとき、ひとりの男性省員がやむを得ず小さな子供を連れて緊急登庁した。見かねた鈴木議員が制度の見直しを求めると、ある男性省員は「省内にベビーベッドを置きましょう」と提案したという。

「ベッドを置いただけで問題は解決する? しないですよときちんと伝えました。必要なのは、小さな子供がいて奥さんも外せない仕事をしているような省員は緊急登庁のルーティンを決める際に配慮するなど、運用の見直しだと訴えました。

 組織には多様な意見が必要です。例えば女性が防災会議のメンバーになり、発災時の避難所にプライバシーを守るパーテーションを設置したり、赤ちゃんからお年寄りまで食べられるお粥の備蓄が進んだりした例があります。

 女性の役割は女性の声を代弁することばかりではありません。男性だけの組織のなかに女性の視点が入ることで、それまでの議論に幅や深みが生じます。そのことがとても大切なんです」(鈴木議員)

 世界でも類のないジェンダーギャップを抱える日本で、女性はどう闘うべきか。

「元始、女性は実に太陽である」と、女性の解放を宣言したのは明治の時代に女性運動のパイオニアとなった平塚らいてうだ。

 自ら生き、自ら輝くために臆することなく、自らの意思を主張すること。小さな声は大きなうねりとなり、10年後、20年後のこの国を変えるかもしれない。

【プロフィール】
鈴木貴子(すずき・たかこ)/衆議院議員。 1986年、北海道生まれ。2009年にNHK入局、2012年に衆議院選挙初出馬、2013年に繰り上げ当選し最年少議員となった(当時)。防衛大臣政務官(2018年)、党副幹事(2019年)、外務副大臣(2021年)などを歴任。2児の母。

石井苗子(いしい・みつこ)/参議院議員 。1954年、東京都生まれ。ワシントン州立大学から上智大学に編入し、卒業後は同時通訳、テレビキャスター、女優として活躍。2016年参議院選挙で初当選。現在、国土交通委員会理事などを務める。2児の母。

※女性セブン2023年8月10日号

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