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高齢者の運転免許「返納」か「更新」か迫られる選択 判断のポイントとなる“死傷事故の厳罰化”

免許返納を判断する際のポイントは?(イメージ)

免許返納を判断する際のポイントは?(イメージ)

 高齢者を含む全国の運転免許返納者数は、2019年の60万1022人をピークに、3年連続で減少している(警察庁発表)。

 75歳以上の免許更新時に「認知機能検査」が導入されたこともあり、「更新か返納か」を迷う高齢者は多いが、「返納者減少」が続く背景には、都市部以外では車なしの生活が成り立たない現状が考えられる。行政書士の竹内豊氏が言う。

「高齢者が免許を返納する最大のメリットは、事故を起こす不安から解放されること。また、税金や保険料、ガソリン代など年間数十万円かかる維持費の支払いが不要になることも、年金生活者には大きいはずです」(以下「 」内同)

 しかし、特に地方で暮らす人にとって免許返納で移動手段が制限されるのは大きな問題だ。買い物や通院など日常生活が不便になるうえ、やむを得ずタクシー利用が増えれば、かえって出費がかさむことも考えられる。

 それでも悩ましいのは、ハンドルを握り続けることで、残りの人生を棒に振るリスクだ。

「交通事故の加害者になる危険、最悪の場合は死亡事故を起こすリスクがつきまといます。重大事故を起こせば免許取り消しや停止などの行政処分に加え、罰金刑、懲役刑、禁錮刑などの刑罰が科される可能性があります。近年は車の運転による死傷事故に対して厳罰化の傾向があることも頭に入れておくべきです」

 任意保険の更新を忘れ未加入状態で事故を起こした場合など、自賠責保険では賄いきれない巨額の損害賠償責任を負うことも考えなければならない。

 返納か更新かを判断する際のポイントは何か。

「公共交通機関の利用が容易な都市部では、返納のメリットが更新を上回ると考えられます。徒歩や自転車利用が増えることで健康の維持・増進が期待でき、買い物などでも不便を強いられるケースは少ないでしょう」

 それぞれの生活環境に応じた決断が求められる。

※週刊ポスト2023年9月1日号


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