猛暑もあいまって電気やガスの値上がりが叫ばれているが、手元に届いた明細を見て拍子抜けした人も多いだろう。実際、いまは政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」として、電気は1kWhあたり7円、都市ガスは1立方メートルあたり30円の補助金が出ているため、私たちが支払う料金は下がっている。消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが言う。
「補助に加えて、7月は液化天然ガス(LNG)などの火力発電燃料の輸入価格の下落を受けて、家庭の電気料金は北海道、東北、東京、北陸、中国、四国、沖縄電力の7社が6月より値下げ。また大手都市ガス4社は全社が値下げとなりました。
ただし、政府の補助は10月で終わり、冬はガスの需要が増えます。10月以降は光熱費が急上昇し、昨年以上に高額になる可能性があります」
ガスや電気が安いいまのうちに省エネ家電に買い替えるか、せめてLED照明に替えることで、節電対策を取っておくべきだ。
「10月の値上げ」にどう立ち向かうか
10月に値上がりが予想されるのは電気やガスだけではない。経営戦略コンサルタントで百年コンサルティング代表の鈴木貴博さんはこう指摘する。
「『二八』といって、例年、2月と8月は需要が落ちるため、各社ともに値上げを避ける。それが一服した10月、満を持して一気に多くの商品を値上げするのがお決まりのパターンなのです。値下がり、または据え置きになっているいまのうちに、買いだめできるものは買っておいて損はないはずです」
買いだめするなら、長期間保存できるもので、10月以降値上がりしそうなものがいい。
「現時点で、調味料は10月に値上がりが予定されているものが多い。また、ペットボトル飲料やお菓子、酒などの価格は包装資材の値上がりに伴い、また上がるはず。消費期限を見ながら消費できる範囲で購入しておくのがおすすめです」(丸山さん・以下同)