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【学校にプールは必要なのか?】水出しっぱなしで損害続出、廃止で年600万円以上の維持管理費を浮かせた自治体も

中学校の水泳実技を全廃した自治体も

 さらにドラスティックな改革に踏み切ったのは埼玉県加須市だ。同市は2022年、市内8校の公立中学校において、水泳の実技そのものを全廃した。かなり思い切った政策のようにも思えるが、保護者や生徒たちからの目立った反対意見はなかったという。

「小中学校の学習指導要領で水泳は必須となっているのですが、『適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれを扱わないことができる』とされています。加須市では水泳の実技は行なわず、座学にて準備運動の必要性や、水泳をする時の安全確保などについての授業を行なっています」(加須市教育総務課)

 プール廃止以前は年間633万円の維持管理費がかかっていたというから、コストカット効果は大きいだろう。少子化で児童・生徒の数は今後も減っていくと考えられる。夏の数週間だけのためにプールを維持する必要があるのか、という議論はもっと高まっていくのではないか。

 そもそも学校にプールがなければ元栓を締め忘れるなどの事案もなくなる。夏の風物詩だったプール授業は、学校から消えていくのかもしれない。(了)


>次ページは、【写真】ひび割れ、爆裂、鉄筋露出…ほか、学校プール老朽化の実例

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