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【飲食店の原価】回転寿司店を悩ませる利益率の減少 値上げすると客足が減り「1皿100円」だと利益が出ないジレンマ

客単価は上がるが、客数は減る

 大手チェーン各社では2022年に価格を見直している。「はま寿司」は110円と165円は据え置きつつも308円を319円に値上げ。平日1皿99円キャンペーンは終了した。「くら寿司」では主力の110円の皿を115円に値上げしたが、220円の皿は165円に値下げ。新たに230円、280円、345円の商品を展開するようになった。「スシロー」では昨年10月の値上げで110円が120円(黄皿)、165円が180円(赤皿)、330円が360円(黒皿)といった具合に1割程度、値段が上がったが、今年5月には黒皿を360円から260円に変更。値段を固定しない白皿を追加した。米川氏が言う。

「こうした価格見直しにより客単価は上がったが、値上げの影響で客数が減ってしまった。コロナ禍前までは家族4人で5000円で済んだのが今は8000円となった。客側としては、“その値段なら焼き肉に行こうか”といった発想になる。1皿100円でないとお客さんが来ないけど、100円では利益が出ずに自分のクビを締めることになるというジレンマ状態なんです」

 企業としてはこれ以上値上げができないと判断したのか、「スシロー」では年末まで「40周年!大大大大感謝祭り」として、本鮪中とろ(1貫)など寿司を期間限定で税込100円の値段で提供。「くら寿司」では「かにといくらフェア」として大粒いくら軍艦(1貫)を180円、「はま寿司」でも「牡蠣と旨ねた祭」として紅鮭いくらつつみ(1貫)を165円で提供する(いずれもなくなり次第終了)。お得感を強調するキャンペーンに打って出ている理由について、米川氏はこう見る。

「フェアでお客さんを呼び込み、儲けが大きい高級ネタを食べてもらいたいというのが本音でしょう。だが、他に比べて客単価が安い業界7位の『魚べい』が好調ということを見ても、その場しのぎのキャンペーンではなく、いかに旨くて安い寿司を継続的に提供できるかが、今後の回転寿司チェーンの勝敗を分けることになるのではないか」

 原価率の高いネタと低いネタを絶妙のバランスで組み合わせることで利益を出してきた回転寿司業界。利益構造が大きく変わり、そのビジネスモデルが曲がり角に立たされているのかもしれない。

(※飲食店の原価・第4回/宅配ピザ編につづく第1回・ラーメン編から読む

次のページは、【参考】まぐろ赤身、中トロ、ウニ…ほか、2020年の「回転寿司」チェーン定番ネタ原価一覧

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