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【墓じまいのトラブル】「永代供養」という言葉に注意 納骨堂の破綻で遺族が遺骨を取り返せなくなった例も

「永代」という言葉に“永遠”というイメージを持つ人もいるかもしれないが…(イメージ)

「永代」という言葉に“永遠”というイメージを持つ人もいるかもしれないが…(イメージ)

 近年、“墓じまい”をする人は急速に増えている。墓じまいとは、今ある墓を撤去して更地にして、寺や霊園などの墓地管理者に区画を返すこと。厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、墓じまいを行なった人はここ10年で1.5倍に増加した。

 今ある墓を撤去するためには、寺院墓地の場合は寺への相談が必要になる。その際に、檀家を離れるための費用として高額を請求されるケースが少なくないが、それを乗り越えて墓じまいを終えた後に親族との間で揉めるケースも多い。都内在住の70代男性は墓の承継者として田舎の墓を閉じ、新しく納骨堂に移したものの、後になって親族とトラブルになったという。

「田舎の墓を閉じて父の遺骨を都内の納骨堂に入れました。『永代供養』とあったので安心していたのですが、そこは7回忌で合祀墓に移されるタイプだった。弟はそれが気に入らないらしく『なんで相談してくれなかったのか』と文句を言われ、それ以来、疎遠になっています」

他人の遺骨と混ぜられて…

 改葬先として、檀家になる必要がない永代供養タイプの納骨堂や樹木葬が選ばれることが多い。子の代に負担にならないので人気が高まり、お墓の情報サイト「いいお墓」が行なった「2023年第14回お墓の消費者全国実態調査」によると、昨年新たに墓を購入した人では、樹木葬や納骨堂を選んだ人が一般墓を上回ったという。

 しかし、契約内容をよく理解せずに改葬先を決めてしまうと落とし穴が待っていることがある。特に「永代供養」という言葉には注意が必要だ。大橋石材店代表でお墓コンサルタントの大橋理宏氏が言う。

「永代供養墓の樹木葬や納骨堂に移したが、契約期限が過ぎると合祀されることを知らずに、後で親の遺骨が他人の遺骨と一緒にバサッと合葬墓に入れられるのを見てショックを受けてしまう人もいます。最低限、納骨の契約期限や遺骨が最終的にどう処置されるのかは確認しておきましょう」(大橋氏)

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