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【年齢別で解説】お年玉を金融教育として活用する方法 「支出の年間プランを立てる」「キャッシュレスにチャージする」「投資に挑戦する」

高学年では年間プランを立てさせる

 お年玉がどんなにたくさんあっても無計画に使えばあっという間になくなります。小学生高学年になれば長期的に考えられる子どももいますので、年間プランを立てさせるのがおすすめです。

 12分割して毎月のお小遣いに上乗せするプランや、自分の好きなモノ(本・漫画・ゲーム・食べ歩きなど)に年3回使うなど、定期的に使うプランを立てるのもよいでしょう。誰かへのプレゼントに使う時期を考慮して、残りの金額をいつ使うか考えさせるのもよいかもしれません。

子ども名義の銀行口座に預けに行く

 大金を家に置いておくのも親に預けるのも、子どもにとっては不安なもの。手元に残るお金があるならば、「お金を安全に管理してくれる」銀行に子ども名義の口座を作り、自分で入金させてみましょう。さらに、銀行にはそのお金を、お金を必要としている会社や人に貸してあげる役割があることも伝えましょう。

 私たちが生きるために必要な血液を「お金」と考えると、銀行は人間の身体中に血液を行きわたらせるポンプの役割と言え、心臓のような存在です。自分の預けたお金が、色々なところで役に立っていることがわかり、世の中の経済活動の一員であると実感できます。

 筆者の家庭では未就学児の頃から、残りのお年玉を本人名義の口座にATMで入金、記帳させていました。中学生になったらキャッシュカードも渡して管理させています。

中学生はキャッシュレス、高校生は投資の体験も

【中学生】キャッシュレスの手段に一部をチャージする

 小学生の間は、バスや電車に乗る時だけ使う約束をすれば安心ですが、中学生になったら活動範囲もお金を使う範囲も広がり、親の目が行き届かなくなります。高校3年にもなれば自由にクレジットカードが使えるように。その前に、キャッシュレスが普及した現在、「見えないお金」との付き合いにも慣れさせることはとても大切です。

 そこで、お年玉の一部をコード決済などのキャッシュレス手段にチャージして、自由に使わせてみるのはいかがでしょう。コード決済などのキャッシュレス手段で買い物するとポイントが得られることや、親子間で簡単に送金できる便利な役割を体感できる一方で、「使い過ぎてしまう」問題にも直面するはずです。

 どうすれば使い過ぎずにやりくりできるか、自由に管理させて、時々「うまくやりくりできてる?」「何か困っている?」など声かけするとよいでしょう。一緒に対策を考えるのもよいですね。わが家では、お小遣いの一部や、子どもが立て替えた金額の端数分含む一部をキャッシュレスで送金してあげています。

【高校生~】投資を始めてみる

 人の役に立つサービスを生み出す会社や個人をお金で応援するのが「投資」という行為です。いくら良いアイデアを持っていても、それを実現するためにはお金が必要です。私たちが便利なサービスを享受できるのは、その必要なお金を世の中の人たちが投資しているから。だから投資がなくなったら世の中は止まってしまうのです。

 投資の意義を知るためにも、高校生くらいになったら、お年玉の一部を「この事業は人を笑顔にしている」「これから人に求められるに違いない」と考える会社に投資してみるのもよいでしょう。

 知ってほしいのは、世の中は投資されるお金でどんどん便利になっていることです。そしてできれば国内企業で探してほしいと思います。日本が相対的に円安になっている背景には、今の日本には世界中の人から求められるサービスを生み出せる企業がないことがあげられます。日本人が諦めてしまって海外企業にばかり投資をしていたら、日本がますます弱体化していくと思いませんか。投資体験を通して、今はないサービスを発見し、開発していこうという気持ちが芽生えていくかもしれません。

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