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新NISAで焦って枠を埋めようとする落とし穴 「毎月10万円投資で当座の生活費が足りなくなる」「損失時のダメージも拡大」

焦って枠を埋めようとするのは本末転倒(イメージ)

焦って枠を埋めようとするのは本末転倒(イメージ)

 2024年1月から始まった「新NISA(少額投資非課税制度)」には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、つみたて投資枠では年間120万円まで投資信託の運用が可能だ。「成長投資枠」は年間240万円までで、投資信託のほか、国内外の個別株やETF(上場投資信託)、REIT(リート、不動産から得られる収益を分け合う不動産投資信託)など幅広い商品に投資が可能。いずれも無期限、非課税で運用できるため、積極的な投資が可能になるが、落とし穴にハマらないよう冷静な選択が必要だ。

 ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、ひとつの選択肢として「成長投資枠でもつみたて投資枠と同じ商品を買うといい」と語る。

「『成長』と名がついているからといって、つみたて投資枠より大きく増える運用だけをめざす必要はありません。成長投資枠ではボーナス支給時などお財布にゆとりが生まれたタイミングにある程度まとまったお金を投じる『スポット買い』をすることもできます。

 もし成長投資枠で個別株を買うなら、長期で保有する前提で“配当金が高い”“今後株価が上がりそう”など、自分の目的に合う銘柄を3か月くらいウオッチした上で判断してください」(風呂内さん・以下同)

危険なのは「いま、生活資金が足りないから投資で増やそう」

 つみたて投資枠の上限は年間120万円で、1か月では10万円が上限となる。そのため、上限を超える資金があるなら、成長投資枠に投じるのも一手だ。

 だが、毎月10万円もの資金を投資に回せる家庭はそれほど多くはないだろう。

 新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせれば上限は年間360万円。生涯では1800万円まで非課税で投資できるようになったが、無理して上限ギリギリまでお金を投じるのは絶対に避けるべき。金額設定を高くしすぎると、当座の生活費が足りなくなる恐れがある。

「もっとも危険なのは“いま、生活資金が足りないから投資で増やそう”という考え。新NISAで一攫千金を狙うなどもってのほかです」

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