住まい・不動産

マクドナルドは“世界有数の不動産業者”の側面も 米国で成功した起業家が語る不動産投資の魅力「賃料という配当を生む、レバレッジの高い商品」

マクドナルドをはじめ、多くの大企業が不動産利益を同時に得る形態をとっている(Getty Images)

マクドナルドをはじめ、多くの大企業が不動産利益を同時に得る形態をとっている(Getty Images)

 不動産投資と聞くと「自分には縁遠い世界だ」と思う人は多いだろう。リスクはつきものだが、不動産投資をすることで、収入の一つの柱を作ることができる。米国でグローバル外食企業を成功させた起業家であり、著書『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』が話題のキム・スンホ氏が、事業を行なう人が不動産投資をなぜ検討すべきかについて解説する。

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 いまビルのオーナーに家賃(賃貸料)を支払っている人は、そのビルを所有する能力をいちばん多くもっていることになる。これは、どの業種のビジネスをしていても同じことだ。

 オーナーは自分で家賃を生み出すことができないから、ビルに入居するという事業を通じて家賃を払ってくれる人を探したのだ。つまり、あなたが家賃を支障なく支払える事業を運営しているのなら、あなたにはそのビルを所有する能力があるわけだ。

 店舗、工場、オフィスなどの事業所をもち、収入を得て家賃を支払っているすべての事業者は、自分の事業から2種類の収益が発生していることを知るべきだ。ひとつは当然、事業自体から得る収益であり、もうひとつは、顧客として人が出入りすることから生じる不動産価値の増加による収益だ。

 もし商圏をまたいだ集客能力をもつ人気のレストランを経営していれば、その店主は飲食サービスで稼ぐお金よりも、人の出入りから生じる収益のほうがずっと大きいこともある。このような人は、人の出入りによる収益をすべてビルのオーナーに奪われることになる。自分の能力で建物や商圏に顧客を集め、それによって生じた建物の価格や賃貸料の上昇を、逆にビルのオーナーに支払っているのだ。

 こうした人たちの事業の本質はレストランの経営ではなく、不動産事業だ。彼らには、自らの経営能力によって、さびれた場所や空き店舗を甦(よみがえ)らせる力がある。ただ、誰よりも優れた不動産事業家になる資格をもった経営者だということを、自分でわかっていないだけだ。つまり、自分が白鳥であることを知らない、みにくいアヒルの子のようなものだ。

 韓国では「造物主の上には建物主がいる〈神よりも地主が強い〉」という言葉があるが、ビルのオーナーとて同じ人間だ。せっせと貯めたお金とローンでやっとビルを購入しても、入居者が放漫経営で家賃の未払いが続き、あげくに夜逃げでもされた日には、オーナーも首をくくらねばならない。造物主の上に建物主、さらにその上に銀行が控えているからだ。

 借金に勝てる人はいないが、あなたは家賃を月々支払い、事業を継続してきた。もし建物を所有したら、銀行のローンもしっかり返済できるはずだ。銀行のいちばんの上客は、あなたのような人なのだ。

 だから、自らビルのオーナーになって、事業収入と人の出入りによる利益の両方を手に入れよう。人の出入りによる利益のほうが、飲食サービスによる収入より多くなることもある。頭金をつくり、ローンを取りつけ、適当な建物を見つけてうまくいけば、それを土台にビルを数棟手に入れることができるだろう。このような顧客には、銀行が最も安心してお金を貸してくれる。これはレストランだけでなく、塾やオフィス、保育園など、すべての事業に当てはまる。

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