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【人生100年時代の新NISA活用術】金融商品選びに必要な視点は「虫の目」「鳥の目」「魚の目」、7.5か月分の生活費を確保した上で余剰資金を投資

「虫の目」「鳥の目」「魚の目」の3つの視点

 新NISAには投資信託を中心に年間120万円まで投資できる「つみたて投資枠」と、個別株やETF(上場投資信託)などに年間240万円まで投資できる「成長投資枠」があり、生涯で1800万円まで(成長投資枠は1200万円まで)の上限の範囲内であれば、どちらか一方だけを使うことも、併用することも可能だ。

 だがこれまでに投資経験がないなら、まずはつみたて投資枠のみを使うことをおすすめする。成長投資枠で買える商品には初心者には難易度の高い金融商品も含まれており、「長期・積立・分散」に適した投資信託のみを取り扱うつみたて投資枠よりもリスクが大きい傾向にあるからだ。

「窓口で相談すると成長投資枠の銘柄を中心にすすめられることが多いのは、その中にはAIや宇宙開発といった流行のテーマ性のある商品も多く、それらは短い期間で何度も売買を行う『回転売買』によって手数料を取りやすいから。あくまでも、はじめはつみたて投資枠のみをベースにし、運用に慣れてきて気になる商品が見つかってから、成長投資枠を使うようにしてほしい」(鈴木さん・以下同)

 では、初心者でも難易度が低く、よりリスクの低い商品はどう見分ければいいのか。必要なのは「虫の目」「鳥の目」「魚の目」の3つの視点を持って吟味することだと、鈴木さんは続ける。

「虫の目は金融商品や銘柄一つひとつを細かく分析する視点。鳥の目は国際情勢の中でいまの日本経済がどうなっているのか、俯瞰した視点のこと。魚の目は時系列の流れで物事を捉え、潮目を読むということです。

 例えば、以前主婦の間で注目が集まった『J-REIT』という不動産投資信託は、虫の目で見ると上昇していても、鳥の目で見ると世界最大のREIT市場であるアメリカのREIT市場が下落基調なら、日本も影響を受けやすくなることがわかります。

 またJ-REITの運用資金は銀行などの金融機関から借入を行っているケースもあるため、日本の不動産市場全体や管理の流れを魚の目で見る必要もあるのです。このように3つの視点を駆使して、慎重に銘柄選びをしてほしい」

 絶対にやってはいけないのは、知人の話やSNSの情報をうのみにして銘柄を選ぶこと。

「他人が儲かったからといって同じ商品をまねして買っても、その後も値上がりし続ける保証はありません。むしろすでに儲けが出ているということは、その後は下がることの方が多いでしょう。またSNSの情報は玉石混淆で、そもそも不正確な情報であることも少なくありません。人のまねはせず、3つの視点を駆使して情報を確認し、必ず自分で選んでください」

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