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【日替わりポルシェ】大谷翔平がポルシェ・ブランドの保守本流「911」を自ら運転して登場したことの感慨深さ

 報道によると、ポルシェジャパンは「我が社でアレンジ(提供)している車両は、SUVモデルの『カイエン』と電気自動車の『タイカン』の2車種になります」と公表しています(FNNプライムオンライン・2月13日付)。一方で他の2台の貸与をポルシェ・カーズ・ノースアメリカに働きかけていても不思議ではありませんし、米国法人が車両提供するぐらいは難しくはないと思います。一部にあった「いったい大谷は何台ポルシェを持っているんだ」という疑問に対する答えは、この辺にあると思います。

 実際、大谷選手が自ら運転してきたタルガ4Sのフロントガラスには、確証はないのですが「モニター車両」を示すようなシールがあるとも。そして、これまでの大谷選手の言動を見る限り、財力に飽かして車を買い集めるようなことはしないでしょう。そうしたことを考慮すると、あのプレゼントした車両以外は、貸与されているのではないでしょうか。

 一方で「自分で運転して事故でも起こしたらどうする」という声も一部に出ています。しかし、911の走りの楽しさをサーキット施設で味わってしまったのですから、「自分でも運転してみたい」という気持ちになって不思議はありません。おまけに海外のスーパースター達が自分で運転するのは、それほど珍しいことではありません。何よりポルシェ911は「安全性や快適性においても世界トップクラスにあるスーパースポーツ」です。

 さらに言えばポルシェ911はゆっくり走っていてもスポーツカーの楽しさや快適性を味わえる存在です。自らステアリングを握ってやって来た大谷選手も制限速度を守りつつ、安全で楽しい911タルガ4Sの走りを堪能していたはずです。

大谷選手が自らハンドルを握った登場したことで話題になった「911タルガ」。横転時でも乗員の保護確率の高いオープンモデル

大谷選手が自らハンドルを握った登場したことで話題になった「911タルガ」。横転時でも乗員の保護確率の高いオープンモデル

ポルシェの最高峰にあるのは

 初めてポルシェの名を冠した車は1948年から製造された「356」というモデルです。そしてその356のモデルチェンジ版として1963年にプロトタイプとして登場したのが2ドアクーペの「911」。

 以来、ポルシェを代表するモデルであり続けてきた911ですが、その中で1967年に追加された初代「タルガ」は “世界で最初の安全なオープンカー”と評価されました。フルオープンではなく、ルーフの上だけ外れ、リアのクオーターピラーが残るという、ポルシェ独自のオープンスタイルによって、横転した場合などにドライバーと乗員が守られることが理由です。

 さらに言えば、このオープン方式はオープンカーの弱点とも言えるボディの剛性を高く維持できるという利点もあります。オープンカーの爽快さと、911ならではの切れのいいスポーツ走行を両立できるモデルであると同時に、「走りだけじゃなく、ファッション性も気にしていますよ」というユーザーを中心に支持されています。

 仮に大谷選手が「タルガに乗りたい」とリクエストしたのであれば、なかなかのセンスだと思います。

 そんな911で、現時点での最強モデルと言えば「GT3 RS」でしょう。ワイドフェンダーのボディに2枚重ねの巨大なリアウイングや数々の空力パーツを備えた、見るからに凶暴そうな佇まいは、レーシングカーそのもの。もちろん実力も4Lの水平対向6気筒エンジン(ターボなどのない自然吸気エンジン)は最高出力525馬力、最大トルク465N・mを発生し、0-100km/h加速は3.2秒(ベースの「GT3」は3.4秒)。最高速は296km/hで、大谷選手の球速の2倍弱というパフォーマンスです。最高速だけで言えばベースになっているGT3が318km/h、さらにランボルギーニなど最高速300km/hオーバーの車は何台かあります。しかし、ポルシェが本気で仕上げたトータルバランスに優れた「マジマシン」なのです。そのスーパースポーツとしての実力の凄さを侮ってはいけません。

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