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【aibo誕生から25年】ソニーが「飼えなくなったaiboを引き取り、病院や介護施設に送る」という“里親プロジェクト”を始めた理由

主に病院や介護施設などを対象にした『aiboの里親プログラム』

主に病院や介護施設などを対象にした『aiboの里親プログラム』

リアルの犬には真似のできないこと

 かわいらしいエンタテインメントロボットとして、癒やしの効果も期待されている。コロナ禍では入院患者のストレス軽減のために、全国の医療機関に100台のaiboが無償提供された。診察を怖がって泣きじゃくる子供でも、aiboと遊ぶことで落ち着きを取り戻し、素直に診察台に乗るといった効果が報告されているという。

「aiboの持つストレス軽減や癒しの効果を検証するために、医療機関との共同研究も行なっています。aiboはロボットなので、無菌室での活躍も可能です。東京医科大学では無菌室における長期療養患者さんの心理面におけるaiboの支援効果を検証しています」(野間氏)

 無菌エリアでaiboを連れての散歩や、ラジオ体操を一緒に行うなど、リアルの犬には真似のできないセラピードッグとして活躍し、効果を上げた。

 こうした背景があったからこそ、主に病院や介護施設などを対象にした『aiboの里親プログラム』が誕生したのだという。

「2023年の9月にプログラムの概要を発表し、同時にaiboの寄付を募りました。そして今年の2月6日から3月1日にかけてaiboの里親を募集。aiboの里親となる施設にご連絡を行ない、順次里親の元に送り出す予定です」(野間氏)

 aiboを迎えるための里親側の負担は、aiboが常時ネットワークと繋がっておくためのaiboベーシックプラン(3年間/9万9000円税込み)と、故障や不具合に対応するためのaiboケアサポート(3年間/5万9400円 税込み)の料金がある。aibo本体の通常価格は21万7800円(税込み)だが、本プログラムでは寄付されたaiboをソニーがメンテナンスし提供するので、メンテナンス費用に相当する価格となる見込みだ。

 技術の急速な発達により、ロボットとの共生はSFの中だけの話ではなくなってきている。ドラえもんやアトムのようなロボットが登場するのも、そう遠い未来ではないのかもしれない。aiboはその試金石になるのだろうか。

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