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【進化するプロスニーカー】工事現場の作業靴にスポーツメーカーがこぞって参入 「BOAフィット」で市場を牽引するアシックスの戦略と見立て

盛り上がる「プロスニーカー市場」

盛り上がる「プロスニーカー市場」

 工事現場とストリートで、ファッションの“逆転現象”が起きている。かつて、工事現場で定番だったのが、膝の下から腿にかけてのわたり幅が広くなるニッカボッカだ。ところが最近ではニッカボッカの着用を禁止する現場が出てきている。余裕のあるわたり幅が、機械に巻き込まれるなどの危険があるためだという。むしろストリートファッションとしてニッカボッカをおしゃれに着こなす若者が増えている。

 一方の工事現場では、伸縮性のあるジーンズやカーゴパンツが目立つようになった。そうした職人たちの足元を見ると、皆カラフルな配色のスニーカーを合わせている。

「プロスニーカー」と呼ばれるワークシューズだ。現場のプロが履くからプロスニーカーではない。安全性と機能性、さらにファッション性を備えた「プロテクティブスニーカー」の略だ。

 このプロスニーカー市場を牽引するのがスポーツメーカーのアシックスである。1999年にワークシューズ市場に参入し、2003年にプロスニーカーを市場に投入した。同社のワーキング統括部カテゴリーマネジメント部長の五十嵐祐介氏の話。

「プロスニーカーは日本保安用品協会が認定するJSAA規格をクリアしたスニーカーです。市場に参入した当初は、我が社でも黒一色などどちらかと言えばシンプルなデザインが主でしたが、ユーザーのニーズを吸い上げるなどして、2017年に季節限定カラーのプロスニーカーやファッション性の高いグラフィックモデルを発売したところ、少しずつ売り上げが伸びていきました」

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