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【半導体戦争の覇者】エヌビディア創業者、ジェンスン・フアン氏の経歴 台湾生まれタイ育ちの少年はデニーズでバイトしながら学費を稼いだ

30歳のときにエヌビディアを創業した、台湾生まれタイ育ちの米国人、ジェンスン・フアン氏(時事通信フォト)

30歳のときにエヌビディアを創業した、台湾生まれタイ育ちの米国人、ジェンスン・フアン氏(時事通信フォト)

「半導体バブル」と呼ばれる熱狂が伝えられる今、国内の報道だけでは見えない景色がある。果たして日本は、世界の列強たちが鎬を削る「半導体戦争」を生き残れるのか。世界の今を理解することが、日本の立ち位置を知る手掛かりになるだろう。

 米半導体メーカー「NVIDIA(エヌビディア)」の躍進が止まらない。時価総額は2兆3600億ドル(約356兆円)で全業種世界4位。世界的株高の牽引役となっている。話題の生成AI(人工知能)に欠かせないGPU(画像処理半導体)で世界シェアの92%を握る同社はなぜ「半導体戦争」の覇者となり得たのか──。ジャーナリスト・大西康之氏がレポートする。【前後編の前編】(文中敬称略)

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「エヌビディアの半導体は麻薬よりも手に入れるのが難しい」

 テスラの創業者、イーロン・マスクをしてこう言わしめるほど、エヌビディアのGPUは品薄状態が続いている。

 出荷を渋って値を釣り上げているわけではない。増産に次ぐ増産で2023年第1四半期に43億ドル(約6200億円)だった売上高は、第4四半期には160億ドル(約2兆3300億円)と4倍近くに跳ね上がった。それでもまだ足りないのだ。

 エヌビディアの半導体を爆買いしているのは、生成AIで覇権争いを繰り広げるGAFAM(注:米IT企業の大手アルファベット(グーグル)、アップル、メタ(フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフトの頭文字をとった呼び名)などのIT・ネット大手だ。昨年話題になった「ChatGPT」の開発会社・オープンAIと提携しているマイクロソフトは、これまでAIに100億ドル(約1兆5000億円)を投資している。

 投資の対象となるのがAIを動かすための「巨大データセンター」だ。そこには無数のAIサーバーが設置されるが、その中核を成すのがエヌビディアのGPUである。

 コンピュータの頭脳といえばCPU(中央演算処理装置)が主流だったが、最近はGPUがその座を奪いつつある。GPUはCPUほど複雑で多様な処理はできないが、並列処理を得意とし、同じような計算を高速で繰り返すことができる。

 そのGPUでエヌビディアは世界シェアの92%を握っている。簡単にいえば、エヌビディアなしではAI開発ができない状況が生まれているのだ。

 米政府は昨年、AI開発で猛追する中国を止めるため、エヌビディア製GPUの対中輸出をほぼ全面的に禁止したほどだ。

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