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名医が教える生活習慣病対策

【突然死を引き起こす生活習慣病のメカニズム】60歳以上で健康に自信があり、健康診断を受けていない人が高リスクという理由【心臓専門医が解説】

医師と患者、双方の「惰性」が知らぬ間にリスクを招く(イラスト:タナカデザイン)

医師と患者、双方の「惰性」が知らぬ間にリスクを招く(イラスト:タナカデザイン)

長期間同じ薬を飲み続けていたら副作用に注意が必要

 臨床イナーシャの観点からいえば、「75歳以上で薬を5種類以上飲んでいながら、1年以上薬の種類が変わっていない」患者さんは、突然死のリスクが高いといえます。個人差はありますが、75歳を過ぎると身体は弱ってきます。細胞が変化しているのに、同じ薬を5種類以上服用し、さらに1年間薬が変わっていないということは、医師が患者の身体の変化にしっかりと向き合っていないか、あるいは、患者さんが頑固に薬の変更を拒否しているかのどちらかである可能性があります。いずれにしても患者さんにとってリスクが高いので、気をつけてほしいポイントです。

 効果のある薬は副作用もあります。服用することで体質が徐々に変化しています。その変化に応じて量を調整したり、薬自体を変えていくことで、副作用を未然に防ぎ最小限の薬で効果をあげることができます。長期間同じ薬を飲み続けることは、副作用を生み出している可能性もあるので注意が必要です。

突然死を引き起こす生活習慣病のメカニズム・後編につづく

【プロフィール】
古田豪記(ふるた・ひでとし)/1993年富山大学医学部卒業。富山大学第一外科助手を経て、2009年篠ノ井総合病院心臓血管外科部長、2012年小諸厚生総合病院内科医長に就任。2013年フルタクリニック開院。心臓外科専門医として20年間、数多くの手術を手がけ、現在はかかりつけ医として長野県佐久市を中心に地域の人々の健康長寿に尽力。とくに糖尿病、高血圧、脂質異常症の治療に力を注いでいる。

取材・文/岩城レイ子

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