“アレンパ”を逃した阪神の新監督に藤川球児氏(44)が就任すると発表された。その人事の背後では、親会社と球団の“暗闘”があったという──。
10月13日、CSでDeNAに2連敗を喫した阪神の今季が終了した。
試合後にスタンドから「オカダコール」が起こるも、今季限りで退任する岡田彰布監督(66)がグラウンドに姿を現わすことはなく、待ちぼうけを食らったファンのざわつきが止まらなかった。
「ひっどいなあ、最後の最後に」──ベンチ裏で3-10の大敗をそうボヤいた岡田監督だが、苦々しいコメントを残したのは、敗北以上にもどかしい思いがあったからかもしれない。ある阪神OBが言う。
「退任の理由は表向き、年齢に配慮したとなっているが、岡田監督は球団側から強く要請があれば自身の後継者をコーチに据えて、もう1年ユニフォームを着る心構えだったという。しかし球団から打診がないどころか、功労者に認められるはずの後継指名も許されなかった。退任会見を見送ったのも無理はない」
そうしたなか、藤川氏の次期監督就任が発表された。その背景には、親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)と阪神球団の複雑な関係がある。
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