推し活から離れる理由はお金や時間の問題だけではない
アイドル、キャラクター、俳優、アーティストなど、自分のお気に入りを見つけて応援する推し活。今やすっかり全世代に浸透し、推しを愛でる人が増える一方で、推し活をやめる人もいる。やめる理由としては、金銭面や時間的な負担などもあるだろうが、同じ推しを応援するファンたちの言動が影響することもあるようだ。推し活から距離を置くようになった人たちの葛藤と決断を聞いた。
ファンの“保護者ヅラ”にうんざり
「推し活って自己満足の世界なのに、オタクのなかには何かとマウントを取りたがる人もいて、そういう人を目にするのが嫌になってオタクをやめました」
そう明かすのは、若手俳優やVTuberなどが好きだったという医療従事者の30代女性・Aさんだ。「マウントから来る偉そうな雰囲気が面倒くさくなった」と話す。
「イベントを全通(全部通う)する人、グッズを買いそろえてコンプしたがる人、いろいろな人がいますが、それだけなら『そういう人もいる』と許容できます。問題はSNS上で、時間やお金をかけたことでマウントを取ったうえで、“ファンの中で一番エラいのは私”みたいな雰囲気を出す人が苦手すぎて……」(Aさん)
Aさんはそうしたマウントだけでなく、「保護者ヅラ」するオタクにも嫌気が差したという。
「推しが愛おしいあまり、感謝したり心配になったりする気持ちはわかります。でも、それが行き過ぎるあまり、“お母さん”になるのはちょっと引きました。当時、付き合いがあったオタク友達がまさにそれで、少しでも推しの機嫌が悪いと“反抗期”扱いしたり、体調を心配しすぎたり……。推しが出演するテレビ番組のSNSにも『○○をよろしくお願いしますね』『うちの◯◯と仲良くしてくれてありがとう』などと投稿する始末。保護者目線が気持ち悪いし、同じ界隈なのが嫌になって、オタクから下りました」(Aさん)