持ち家にするか、賃貸で住み続けるかの判断基準とは(写真:イメージマート)
マンション価格の高騰は続き、住宅ローンの金利も上昇する中、持ち家にするか・賃貸で住み続けるか、悩む人も少なくないだろう。はたして持ち家と賃貸では、最終的にどちらがお得なのだろうか?
この10年で様々な失敗を重ねながら資産をゼロから8000万円へ増やし、現在はYouTuberとして資産形成に関する情報を発信する、FPのミニマリストゆみにゃんさんの著書・『オートで月5万円貯まる魔法の節約術』より一部抜粋・再構成して、ゆみにゃんさんの住まいへの考え方を紹介する。
持ち家・賃貸論争! ゆみにゃんの結論は?
持ち家か賃貸か論争がありますね。結論、価値が落ちない中古の家を買えば資産になるので持ち家が金銭面で有利です。そうでない場合は資産価値よりも借金+諸費用の方が多くなるので賃貸の方が有利になります。
また、40年以上住むなら持ち家の方が有利です。しかし、新築の場合は売主側の利益が20%ほど販売価格に上乗せされているので注意です! マイホームの購入価格の平均は4000万円程度、売主の利益を引いたら3200万円の価値です。
一方、支払いは住宅ローンの利子と将来の修繕費、仲介手数料、固定資産税などを含めると35年で総額6000万円程度になります。この時点で3200万円の家に6000万円も支払っていることに!
しかも3200万円の価値は毎年目減りしていき、耐用年数では一戸建ては22年、マンションは47年で価値がゼロになります。47年で価値がゼロになるものに6000万円払うのです……。
さらに、価値がゼロになった後も、マンションの場合は管理費と修繕積立金で月5万円程度と、毎年固定資産税を支払い続けます。
このように実費計算すると賃貸との差は縮まります。なので、より資産価値が落ちないかどうかの方が重要になってくるため、都心の駅近物件以外はお勧めできないという結論に至るわけです。
長く住むので関係ないと考えましたか? 確かにその通りで、「オウチーノ」のシミュレーションによると、マンションの場合は購入後42年目、戸建ての場合は38年目で賃貸が持ち家の生涯コストを上回ります(https://o-uccino.com/front/articles/47374)。
しかし、2021年に新規登録された中古マンションの平均築年数は27.23年、中古戸建で23.78年です(公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」より)。つまり、一生ものと思って購入したマイホームを20年足らずで売る人が多いのです! 今の日本では3組に1組の夫婦が離婚しているというデータもあるので、離婚に伴い持ち家を手放すケースも多いと推測されます。
家を買いたい場合は、結局は浪費として購入することになります。人生の目標の中にマイホームがあるならば買った方がいいですが、お金を貯めて自由になる方が優先なら賃貸にしておきましょうね。