次のターニングポイントは「関税90日間停止の期限切れ」か(トランプ大統領/Getty Images)
会社勤務を続けながら貯金40万円を元手に株式投資を始め、「イベント投資」などの手法を駆使して33歳にして億り人となった「まつのすけ」さん。40代となり、起業して投資を続ける一方、クレジットカードや電子マネーの活用法をブログなどで発信している。現在の資産は約10億円に達しているまつのすけさんに、世界の株式市場を揺るがす米中の関税戦争の行方をどう見ているのかを聞いた。
「今回に関しては先行きへの不透明感がありますね。これだけの大規模な関税措置が現実に導入されるとすれば、誰も経験したことがないの状況になる。誰もわからないとなると、過去の経験に沿って株が売られていくことになると思います。
それにしても、リーマン・ショックやITバブル崩壊のような2~3年下がりっぱなしの相場の始まりなのか、コロナ・ショックや欧州債務危機のように数か月から1年で戻るのか、判断が難しい状況です。ただ、私はそこまで長期的なリセッションにはならないものとみています」(以下、「」はすべてまつのすけさん)
来年の中間選挙前にはプラスの話題が出てくる
まつのすけさんがそう考える理由のひとつは、来年11月に控える米国の中間選挙だという。
「今のような混乱がその時点まで続いていると共和党が大惨敗するでしょう。トランプ大統領もそのことはわかっているはずで、中間選挙に向けて混乱を収めて株価を回復させる流れに持っていくと考えられます。来年7月には米国の建国250周年の節目も迎えるので、ネガティブな情報ばかりで株価が低迷しているというのは、トランプ大統領も歓迎できない事態。株価をなんとか回復させて建国250周年を祝福ムードで迎え、中間選挙に弾みをつけたいと考えるのではないか。
トランプ大統領としては2期目が終わる2029年1月まで自分の影響力を維持したい。できれば辞めたあとも影響力を持ちたいでしょうからね。そのためには、2026年の中間選挙は必ず勝たないといけないでしょう。ですから、今後は減税や規制緩和といったプラスの話題が出てくると思います」
今後の市況を見極めるうえで重要となるのは、報復措置を取らない国に対して相互関税を一部停止した「90日間」が期限を迎えるタイミングで何が起きるかだという。
「トランプ大統領としては中国が覇権を握るのは許せない。徹底的に叩いてやろうということでしょうから、対中国に関してはあまり姿勢が変わらないでしょう。メンツを重んじる中国も折れることはないので、トランプ大統領の任期中は両国の緊張関係は続くのではないか。
問題はそれ以外の国に振りかざしている関税を取り下げるかどうか。90日間の期限を迎えた際に、現在導入されている最低限の関税で打ち止めということになれば、市場は全体的に戻す底打ちになるでしょう。そこから減税・規制緩和など、ポジティブな政策が前面に出てくるようになると、1~2年後には市場は戻っているのではないか」