節約効果が大きい「固定費」の見直し(写真:イメージマート)
物価が高騰する中で家計の無駄を削りたいなら、一度しっかりと見直せば長く大きな支出減が見込める月々の「固定費」の削減に着手するのがよさそうだ。
なかでも見直す余地が大きいのが「保険料」だ。
「シニア層では終身の死亡保障の保険料を有期払いにして払い終えている人も少なくないので、見直したほうがいい人が多いのは医療保険です」
そう指摘するのはファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター代表)だ。
「年齢を重ねると、病気への不安から医療保険に入る人が多いですが、たとえば60代以上で加入すると月々の保険料は1万円を超え、20年間払えば240万円以上になる。これに対して給付は入院1日につき1万円程度。元を取るには240日間も入院する必要があり、現実的ではない。必要性を冷静に判断しなくてはなりません」(藤川氏、以下同)
そもそも医療保険は原則、入院や手術をしないと給付は受けられない。
「保険料を払い続けるくらいなら、そのお金を手元に残し、日常使っている銀行口座と別の口座で管理してもいい。病気で入院したら使えるし、何もなければ他の使い道もあり、家族に残すこともできる。医療保険のように使い道が限られない、“じぶん保険”の口座にする考え方です。
手術などで医療費が高額になっても、公的な健康保険の高額療養費制度を使えば、一般的な家庭の場合、自己負担は10万円もかからない。“なんとなく不安だ”という感情だけで医療保険に入り続けることには、ムダが多いと言えるでしょう」