清原達郎氏はこれからの日本株市場をどう見ているのか(撮影/野口博)
昨今は米国株インデックス投資ブームと言われるが、「S&Pは歴史的に見て割高です。対して日本の株式は割高ではありません」と指摘するのは、ベストセラー『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)の著者で資産800億円の投資家・清原達郎氏だ。これからの株式市場をどう見ているのか、清原氏が本誌『週刊ポスト』のメール取材に応じた。
4月のトランプ関税ショックでは、ダウ工業株平均株価が史上3番目の下げ幅となるなど、米国株式市場は最大の激震地となった。
昨今は米国株インデックス投資ブームと言われ、日本でもS&P500など米国のインデックスファンドへの投資がスタンダードな選択肢になってきたが、清原氏は一貫して日本株に注力してきた投資家である。
「私は為替リスクをとりたくないのです。米国の金利はほぼ確実に下がります。それに伴い円高が心配されるのです。また、S&Pは歴史的に見て割高です。対して日本の株式は割高ではありません。それがTOPIXを選好する理由です。もちろん成長力の違いを反映していると言えばそれまでなのですが。
なぜ日経225でないかと言われれば、『割高な半導体製造装置の割合が高いから』だったのですが、半導体製造セクターの株価は既に暴落し、今となっては日経225でもTOPIXでも変わらないと思っています」
一方で米国市場の強さは認めている。
「米国で何が起きるか私にはわかりません。しかし今後も世界の中心であることには変わりなく、イノベーションの多くは米国発になるでしょう。米国は勝者にとてつもない報酬と名誉を与える反面、敗者も多く生み出します。それだけ多様性のある国だと言えるでしょう。『みんな一緒がいい』という国ではイノベーションが生まれません。私は米国の将来には強気です」