ホルモンタイム突入
ミノは焼きすぎると硬くなるから注意が必要だ
さてさて、ここからは私のホルモンタイム。欠くことができないホルモンとミノをいただく。実は私、この店のタンも、もちろんハラミも大好物だが、初夏の日の昼下がりにレモンサワーを2杯、3杯とやるならば、その酒肴には、ホルモンと、この店の上等なミノがあったら、何も言うことはないのである。それくらい、うまい。ミノなんか、あんた、そりゃもう、筆舌に尽くしがたいと、ライターとしての職務を忘れて呆然自失するのである(ちょっと大袈裟に過ぎましょうか)。
この満足度たるや、比類ない。本日は、某日の午後。平日であるからして、本来であれば、この“取材”の後にも仕事をして然るべきではあるのだが、どうにも満ち足りてしまってイケナイ。こんなときはどうしたらいいかなとAIに質問したら、寝ろ、と言われるに違いない。賢いヤツだ。
締めのテグタンクッパを頼む。ケンちゃんは、もう1回ハラミに戻りますと宣言してハラミを追加した後で、ひとしきり悩んだ。最後はコムタンにすると決めてはいるようなのだが、そのスープに米を入れてクッパにするか、うどんを入れるか、迷っているのだ。
どっちだって、いいじゃないか!
奥深い味わいがたまらないテグタンクッパ
そう思っていると、ケンちゃん、意を決してうどんを頼んだ。Rさんが取り分けてくれたテグタンクッパとコムタンうどん。これがまた、格別。ヒツゼツニ…、しつこいですね。とにかく、すばらしい。
シンプルゆえにうまさが際立つコムタンうどん
感想は、うまかった、のひと言だけ。万感こめて、うまかった。浅草「金楽」昼酒90分1本勝負。次は、いつ開催しようか。
昼から通し営業している日が多いので、昼飲み族にはとても有り難い老舗だ(「金楽」東京都台東区浅草1-15-4)
【プロフィール】
大竹聡(おおたけ・さとし)/1963年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒。出版社、広告会社、編集プロダクション勤務などを経てフリーライターに。酒好きに絶大な人気を誇った伝説のミニコミ誌「酒とつまみ」創刊編集長。『中央線で行く 東京横断ホッピーマラソン』『下町酒場ぶらりぶらり』『愛と追憶のレモンサワー』『五〇年酒場へ行こう』など著書多数。「週刊ポスト」の人気連載「酒でも呑むか」をまとめた『ずぶ六の四季』や、最新刊『酒場とコロナ』が好評発売中。