インタビューに答えるワタミ会長兼社長の渡邉美樹氏
外食大手・ワタミの渡邉美樹会長兼社長インタビュー。ワタミが2024年10月にサンドイッチチェーン世界最大手「SUBWAY(サブウェイ)」の日本事業を買収してから約半年が経った。独自の新メニューを開発するなどサブウェイの“ワタミ化”を加速させる渡邉会長に、今後のサブウェイの展開と、根強いサブウェイ・ファンが気になる「サンドイッチのカスタマイズ」について聞いた。
「野菜マシマシ/上限は、野菜多めとして継続する」
サブウェイが日本に上陸したのは1992年。前年の1991年にサントリーホールディングスが日本サブウェイを設立し、国内での展開がスタートしたが、FC契約の終了に伴い2018年に日本サブウェイの全株を売却して経営から完全撤退。米サブウェイの傘下になった経緯がある。ワタミは2024年10月、米サブウェイから国内でサブウェイ事業を運営してきた日本サブウェイを買収し、完全子会社化した。
サブウェイのサンドイッチは、自分の好みにカスタマイズできるのが特徴だ。メニューから好きなサンドイッチを選び、パンの種類、パンを焼く・焼かない、野菜の種類、野菜の量、トッピング(有料)、ドレッシング・ソースを選択でき、自分だけのサンドイッチが仕上がっていくのは見るのも楽しい。
特に無料で野菜(レタス、トマト、ピーマン、オニオン)やアクセント野菜(オリーブ、ピクルス、ホットペッパー)を増量できるのが大きな魅力であり、「野菜多めで」とオーダーする客は多い。増量からさらに多めに野菜を入れる「野菜上限で」という“裏技”注文も古くからのサブウェイ・ファンの間では浸透している。
だが、従来型の店員と客が対面でオーダーする店舗が減少し、タッチパネルでのセルフオーダーシステムを導入する店舗の増加で、昔からの顧客からは「タッチパネルの端末には野菜ごとに『抜き』『適量』『多め』の3つの選択肢のボタンがありますが、『多め』よりもさらに野菜を多く入れる『上限』のボタンはなく、対面式店舗のように『野菜上限で』というオーダーができないのは寂しい」(日本上陸時からのサブウェイ・ファンを自認する50代女性)などと戸惑いの声も上がっている。
──今後、「野菜上限」のオーダーの扱いはどうなりますか?
「これまでのサブウェイのやり方は結構アバウトなところがあって、お客様はサンドイッチを作る店員に『野菜の量をもっともっと多くして』と、『野菜多め』よりもさらに多く野菜を入れてほしいと言えます。でも、次のメニュー・リニューアルから『野菜多めからの“野菜マシマシ”はもうやめよう』と社員に言っています。『野菜多め』が『野菜上限』と思っていただきたい。タッチパネルのセルフオーダーシステムには野菜の種類ごとに『多め』のボタンを用意していますが、そのボタンが『上限』も意味することになります」(渡邉会長。以下「」内、同じ)