ずっと転職サイトに登録しているのはなぜ?(イメージ)
転職経験のある人が増えている。総務省の「労働力調査」(2025年1~3月期平均)によると、「転職者」(就業者のうち前職のある者で、過去1年間に離職を経験した者)は328万人と、前年同期(305万人)に比べ23万人増加した。
ただし「転職」に興味はあるものの、なかなか踏み切れないという人も多い。現職で働きながら「転職サイト」に登録した後、特に転職活動をするわけでもなく、登録をそのままにしている人も珍しくないようだ。積極的に転職する気もないのに、いったい、どのような理由があるのか。
スカウトで自己肯定感が高まる
メーカー勤務の30代女性・アヤコさん(仮名)は、20代後半の頃、「今の仕事はやりがいがない」と思い、転職を考えたことがある。しかし結局ズルズルと今の会社でキャリアを積み、転職活動はいつの間にか断念したが、当時登録した転職サイトは退会していない。「なんだかんだ今の会社の居心地がいいので、実際に転職することはない」というアヤコさんだが、今なお退会は考えていないという。なぜなのか。
「時々職務経歴を更新すると、スカウトメールが怒涛のように来て、『こんな私にも求めてくれるところがあるんだ』と、自己肯定感が高まります。業界トップの同業他社の求人やスカウトもあり、会社でイヤなことがあった時に自分が自社以外でも通用するかもと思えるのは、結構、心の安定につながります」(アヤコさん)