最も危ない「20代のつもりの40代」
この変化にうまく対応し、周囲の期待にうまく応えて、あるいは周囲の期待を超えるような見られ方ができれば、周囲からも評価されるし、自分自身も納得いく働き方ができます。
人間は、自分のことは自分自身ではよくわからないけれど、他者からはよく見えるというところがあります。
仕事やキャリアに関していうと、30代から40代に年齢が上がっていっても、自分の中では地続きのイメージを持っています。ところが、周囲からは、30代と40代では見られ方は明らかに変わります。
この変化に自分で気づいていないと、40代なのに20代のつもりでいた、といったことが起こります。頼りない印象や、軽薄な印象を持たれかねません。
とりわけ自分のキャリアをどう設計していくかを考えた時には、20代、30代のキャリアと、40代、50代、長く働きたい人は60代も含めて、人生の前半、後半の分かれ目を意識しておいたほうがいい。
この違いを認識し、この違いを前提に、キャリアをどう作っていくのかを考える必要があるのです。
※黒田真行・著『いつでも会社を辞められる自分になる』(サンマーク出版)より一部抜粋して再構成
【プロフィール】
黒田真行(くろだ・まさゆき)/ミドル世代専門転職コンサルタント。1965年兵庫県生まれ、関西大学法学部卒業。1988年、リクルート入社。以降、30年以上転職サービスの企画・開発の業務に関わり、「リクナビNEXT」編集長、「リクルートエージェント」HRプラットフォーム事業部部長、「リクルートメディカルキャリア」取締役などを歴任。2014年、リクルートを退職し、ミドル・シニア世代に特化した転職支援と、企業向け採用支援を手掛けるルーセントドアーズを設立。30年以上にわたって「人と仕事」が出会う転職市場に関わり続け、独立後は特に数多くのミドル世代のキャリア相談を受けている。著書に『採用100年史から読む 人材業界の未来シナリオ』(クロスメディア・パブリッシング)、『35歳からの後悔しない転職ノート』(大和書房)など。