老後資金不安を解決する第一歩はお金の見える化
現役引退後収入の土台となる公的年金ですが、ご自分の受給見込額をしっかり把握できている人はとても少ないのです。一般的に最も重要な年金ですら把握できていないわけですが、年金以外のすべての収入についても全体像をしっかり見える化して、把握しておくことが老後資金不安を解消するための第一歩です。
一般的に60歳以降の収入として考えられるものを整理すると次の図のようになります。
60歳以降の収入を見える化し、整理する
60歳で定年退職後、再雇用や転職などしながら働き続ける人も増えています。また、個人事業主やフリーランスとして働く人もいるでしょうし、会社員と個人事業で二足のわらじを履く人もいるでしょう。
現役時代の働き方によっては、確定給付年金、企業型確定拠出年金、中小企業退職金共済などの年金/共済を受け取れる方もいるでしょう。個人型確定拠出年金(iDeCo)や個人年金保険などにご自身で加入している人もいるはずです。
さらには株式や賃貸不動産を保有していればそこからの収入があるでしょうし、リバースモーゲージやリースバックなどの形でマイホームを活用することも選択肢になります。
老後不安を解消するためにまず必要なことは、60歳以降に得られる収入について概算金額や受け取れる期間などを整理して、見える化していくことです。「どうせ年金はあてにならない、お先真っ暗だ……」などと悲観的になる前に、まずはこのような形で整理することから始めていただければと思います。
【プロフィール】
横田健一(よこた・けんいち)/ファイナンシャルプランナー、株式会社ウェルスペント代表取締役。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者。大手証券会社を経て、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」やYouTubeで情報発信しながら、家計相談やライフプラン・シミュレーションを行い、個人の資産形成をサポートしている。「ファイナンシャル・ウェルビーイング検定」を全面監修。著書に『新しいNISA かんたん最強のお金づくり』(河出書房新社)、最新刊は『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)。