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老後資金の不安を解決する第一歩は「収入の見える化」 自分は年金をいくらもらえるのか、「ねんきん定期便」の読み解き方を解説

自分は年金がいくらもらえそうか、定期的に確認しておきたい

自分は年金がいくらもらえそうか、定期的に確認しておきたい

 お金に対する不安で最も多いのが「老後資金」だ。一時、「老後2000万円問題」も話題になったが、多くの人にとって老後資金への不安は大小あれど、共通していることだろう。では、不安を解消するために、何から実践すればよいだろうか。新刊『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』が話題のファイナンシャルプランナー・横田健一氏が解説する。

 * * *
 金融庁の報告書に端を発して「老後資金2000万円問題」と一時大騒ぎになりましたが、あれほどの騒ぎになったのは多くの人が老後資金について漠然とした不安を持っているからでしょう。今回は老後資金の不安を解消する基本的な考え方についてご説明します。

20~60代の全世代で、お金に関する不安の第1位は老後資金

 次のグラフは、お金に関してどのような不安を持っているかについての調査結果です(三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2023年)」)。

世代別お金に関する不安(出所:三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2023年)」)

世代別お金に関する不安(出所:三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2023年)」)

 グラフには「老後資金」、「介護・医療費」、「収入の減少」、「インフレ(物価の上昇)」、「困ってはいないが漠然と不安だ」という上位5項目が示されていますが、全世代で突出して1位となっているのが老後資金です。非常に多くの人が老後資金について不安を抱えている様子が確認できます。

 老後に近づいている50代、60代はともかく、18歳以上の全世代でここまで老後資金について不安を感じているのはなぜなのでしょうか。次のグラフは、同じ調査で公的年金や企業年金の水準をどの程度認知しているかについて確認したものです。

公的年金・企業年金の水準に関する認知度(出所:三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2023年)」)

公的年金・企業年金の水準に関する認知度(出所:三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2023年)」)

 1つ目のグラフは全世代、2つ目のグラフは年金受給を目前に控えた50代を対象とした結果です。まず全世代ですが、何らかの形で公的年金の水準をおおよそイメージできている人は50.6%(=44.7%+4.3%+1.6%)と2人に1人となっています。また企業年金については「知っている・ある程度知っている」の合計で37.9%と4割未満の水準です。老後の年金について、20代、30代など若い世代であれば自分ゴトとしてまだ意識が低い可能性はあるでしょう。

 2つ目のグラフは年金受給が近づいている50代についての結果ですが、何らかの形で公的年金の水準をおおよそイメージできている人は57.1%(=54.2%+1.9%+1.0%)と6割弱にとどまっています。50代であっても、5年後、10年後くらいに受け取り始める公的年金の水準について把握できていない人が非常に多いのです。

 同じく50代を対象にした2つ目のグラフで、企業年金について「知っている・ある程度知っている」の合計は42.7%と、50代に突入しているにもかかわらず、依然として4割程度の水準にとどまっています。

次のページ:ねんきん定期便で公的年金の受給見込額を把握しよう

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