閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
マネー

【与党提出の年金改革法案】在職老齢年金引き上げという“アメ” その裏のiDeCo加入年齢引き上げの先に透けて見える「年金70歳支給開始」という“ムチ”

年金改革法案の“アメ”の裏に潜む“ムチ”とは(石破茂・首相/時事通信フォト)

年金改革法案の“アメ”の裏に潜む“ムチ”とは(石破茂・首相/時事通信フォト)

 国民生活を支える年金の大幅カットが進められようとしている。自民党内で大揉めの末に提出された年金制度改革法案だが、新聞・テレビが報じない詳細を検証していくと、元サラリーマン世帯を狙い撃ちにした「大改悪」であることが見えてきた──。

 メディアでは、基礎年金底上げ案を削除した法案を提出し、その後、野党の反対を受けて法案の修正を進めたことに話題が集中しているが、真に注目すべき点は他にある。年金制度に詳しい“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。

「法案から基礎年金底上げ策が削られていたことはもちろん大きな問題ですが、今回の法案には元サラリーマン世帯への大幅な給付カットや会社員への保険料負担増が盛り込まれていることを見逃してはなりません」

 今回、与党が提出した年金改革法案には、一見、国民への“アメ”にも見える内容もある。

 厚生年金に加入して働きながら年金を受け取る「在職老齢年金」は、給料と厚生年金(報酬比例部分)の合計額が月51万円を超えると超過分の半額の年金が支給停止される制度だ。この支給カットの基準が月62万円に引き上げられ、シニアが年金カットを気にせず働けるようにする改正が進められている。

「ただ、この変更で恩恵を受けるのは65歳以降で働く年金受給権者308万人のせいぜい1割程度です」(北村氏・以下同)

 もちろん、この先も賃上げが進めば恩恵を受ける人は増えるかもしれないが、この在職老齢年金の支給カット基準を引き上げる財源として、厚生年金保険料の上限額引き上げが実施されるのだ。

次のページ:“アメ”の裏に潜むiDeCo 加入年齢引き上げという“ムチ”

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。