20代で打ち出した目標が「50歳までに3億円を貯める」
「いつまでに、いくらぐらいの資産を築きたいかを考えた時、すぐ頭に浮かんだのが“3億円”という数字でした。3億円で3%の配当をもらえれば年間900万円の収入になります。税金を引かれたとしても生活費としては十分な金額です。当時、まだ人生で成し遂げたいという目標が見つかっていなかったので、その目標が見つかった時に『お金がないから諦める』ということにはしたくありませんでした。3億円あれば、それはほぼ回避できるはずです。
そこで導き出した結論が、働きまくって毎年300万円貯めて、年平均7%で運用し続ければ、50歳で3億円になるという道筋でした。年平均7%ならそれほど難しくないと思えたのですが、実際にはそれなりに大変でした(笑)。ちょうど当時のジャンボ宝くじの一等・前後賞合わせた金額も3億円でしたが、当たる確率が限りなく低い宝くじを買い続けるよりも、着実に投資で3億円を築く道を選びました」
生活費を除いた給料のほとんどを株式投資につぎ込む
とりで氏は当時、システムエンジニアとして忙しい毎日を過ごしていた。「残業代が株式投資の元手の一部になった」という。
「毎日、終電かタクシーで深夜帰宅する生活を送っていて、きちんと残業代が出ていましたが、お金を使う時間も場面もなく、貯金が貯まる一方でした。銀行の定期預金にしても超低金利なので、置いておくだけでは全然増えません。給料から生活費を除いた金額のほとんど全部を株式投資につぎ込みました」
とりで氏は2001年頃から株式投資を始め、目標の資産3億円は、50歳を3年ほど前倒しで達成した。2025年5月現在、資産は4億円を超えている。
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【プロフィール】
とりでみなみ/会社員として働きながら、20代半ばから株式投資を始めた兼業投資家。「50歳までに資産3億円」という目標を約3年前倒しして達成。現在は資産4億円に達している。口座パスワード忘れること5回以上という自称「超長期投資家」。銘柄選定は10年以上持ち続けられるかどうかで判断し、相場が荒れてもひたすら長期分散投資を続けることで現在に至る。
取材・文/上田千春