資産形成における株式投資の醍醐味とは(写真:イメージマート)
「50歳までに3億円を貯める」を目標に掲げ、会社員として勤務しながら20代半ばから株式投資を始め、40代で資産4億円を築いた現役サラリーマン投資家・とりでみなみ氏。なぜ50歳までに株式投資で3億円達成を目指そうと考えたのか、そのためにどのような計画を立て、投資の元手を用意したのか。投資で成功するための秘訣に迫った。
とりで氏が日本株の個別株投資を始めたのは20代半ばだったという。そもそも、なぜ株式投資を始めようと思ったのか。
「就職して間もない20代前半、世の中には“会社員で年収3500万円”という人がいることを知りました。周りにいる会社員のように35年ローンで6000万円の家を買うと考えた時、年収3500万円で、仮に普通に生活して年間1000万円貯蓄できるとすると、その人は6年で6000万円の家をローンなしで買えることになる。
6年で買える人がいれば、35年かかる人がいる。この6倍の差はどこからくるのか? 才能や能力が6倍違うのか? どうしてそんなに差がつくのか? 近づくにはどうしたらいいのか?……様々な疑問を考え始めた時に、1つのヒントになったのが不労所得であり、株式投資でした」(とりで氏。以下、「 」内、同じ)
「自分の代わりに“お金”に働いてもらう」
とりで氏の株式投資の基本スタンスは、「自分の代わりに“お金”に働いてもらう」。その意図をこう説明する。
「資産を増やすには、収入を増やし、支出を減らす必要があります。ただ、支出はどんなに頑張っても“ゼロ”までにしか減らせないので、資産を増やすためには圧倒的に収入を増やすことの方が重要です。収入を増やすためには、【1】自分のリソースを投入する(めちゃくちゃ働く)、【2】資産を投入して自分の時間を使わずに増やす、の2つがあります。
私は働くのが好きなので、残業もしましたし、会社に内緒で副業もして働きまくって収入を増やしました。しかし、どんなに徹夜をして頑張っても1日24時間しかないので自分の時間を投入することにも限界があります。そこで一番大切なのが【2】と気付いたわけです。資産を投入して自分の時間を使わずに増やすことができる代表格の1つが株式投資です。自分の時間に限りがあるので、代わりにお金に働いてもらうという発想です」
株式投資の醍醐味について、とりで氏が力説する。
「たとえば、仮にこれからグーグル社が伸びると感じたとしましょう。しかし、自分自身が今の会社を辞めてグーグル社に転職したいと思っても同社は私を採用するでしょうか。ほぼ絶望的です。でも、グーグルの株を買って、自分の分身としてお金を“就職”させればリターンを得ることができます。成長が期待できそうな企業に投資すれば、成長に見合ったリターンを受け取れる。会社が2倍の規模に成長しても自分の給料は2倍にはならないのに、株価は2倍になりえるのです」
こうした考えのもと、とりで氏が20代で打ち出した目標が「50歳までに3億円を貯める」だった。