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ビジネス

【コメ流通ルートに異変】秋田で出荷先をJAから大手商社に乗り換えるコメ農家が続出 買取価格に大きな差が出るカラクリ

 商社には、コメをすぐに集荷してくれる利点もあるという。佐藤さんが続ける。

「連絡すれば、次の日には取りに来てくれます。だから、自社で倉庫を持つ必要がないんです。

 一方でJAのカントリーエレベーター(乾燥や貯蔵・調製・出荷をする共同利用施設)に出荷する場合だと、順番があって何日も待たされることがあります。これだと経営規模を拡大すればするほど、コメを置いておく倉庫が必要になってしまい、農家には負担になるんです」

 以上のような理由から、商社や卸との直接取引を望む農家が増えている。

 そこで佐藤さんは、2024年度から卸売業も始めた。地域の農家からコメを集荷し、商社に販売する。佐藤さんは「うちを通せばJAよりも高い価格で買ってもらえると聞きつけて、農家からの申し込みが増えています」と話した。

【プロフィール】
窪田新之助(くぼた・しんのすけ)/ノンフィクション作家。1978年福岡県生まれ。明治大学卒業後、2004年に日本農業新聞に入社し、2012年よりフリーに。著書に『データ農業が日本を救う』(インターナショナル新書)、『農協の闇』(講談社現代新書)など。2024年、『対馬の海に沈む』(集英社)で第22回開高健ノンフィクション賞を受賞。

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 関連記事《【巨大資本でJAを圧倒】伊藤忠食糧、豊田通商…大手商社が産地に乗り込みコメを爆買い 止まらぬ価格高騰の裏で起きていた“仁義なき争奪戦”現地ルポ》では、倒産寸前の米農家を救った商社マネーのカラクリや、農家の「JA離れ」が加速する実態など、窪田氏のレポート全文を掲載している。

※週刊ポスト2025年6月20日号

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