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場当たり的なルール変更を繰り返す厚労省「年金減額期間終了」のゴールは遠のくばかり 早まる少子高齢化の進行で、年金減額が“永久”に続きかねない現実

減額を終了するのは現実的に無理

 厚労省のプランでは、5年後の年金改正で「基礎年金の底上げ」が実施されれば、厚生年金も基礎年金も減額は10年後の2036年度で終了する。

 そんな眉唾な目標が実現できると鵜呑みにするのは新聞・テレビくらいだろう。

 自民党でただ1人法案の採決に欠席した河野太郎・前デジタル相が「厚労省はルールを途中でコロコロ変える」と指摘するように、年金改正はその場しのぎ、場当たり的なルール変更が繰り返されてきた。

 マクロ経済スライドによる年金減額もそうだ。

 この仕組みが導入された2004年の年金改正では、厚生年金も基礎年金も2023年度に減額が終了し、その後は物価・賃金上昇に合わせて年金は増えていく見通しだった。

 だが、5年に一度の年金改正のたびに減額が終わるゴールが変更され、遠くなっていったことがわかる。このやり方から考えて、2036年が近づけばその先へ延長されるのではとの疑念が浮かぶのは自然なことだろう。

 前出・北村氏が語る。

「年金制度は現役世代が払う保険料で高齢者の年金を支えるという仕組みだから、少子化で現役世代の人数が減り、寿命の延びで高齢者の割合が増えると年金財政は逼迫する。

 そこで100年安心を謳った2004年の年金改正で保険料引き上げと年金減額の現在の仕組みをつくった。厚生年金保険料の引き上げは給料の18.3%を上限と決め、毎年引き上げてすでに上限に達したからこれ以上は上げにくい。その後はマクロ経済スライドで年金額を目減りさせていくしかなくなった。

 そのマクロ経済スライドにも数々の修正を加えてあの手この手で減額してきたが、少子高齢化が予想より進展してしまったから、この先、減額を終了するのは現実的に無理でしょう」

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