いまは悠々自適に暮らす成長株テリー氏の投資戦略とは(イメージ。Getty Images)
トランプ米大統領の言動によって相場は大きく揺れ動く展開が続いているが、過去を振り返っても株式市場はその時々で浮き沈みがあった。そうしたなかで、“億り人”と呼ばれる個人投資家はどのように資産を築いてきたのか。株式投資で資産を築いた後に勤め先を退職し、ニュージーランドに移住して悠々自適に暮らしている個人投資家の成長株テリー氏に話を聞いた。
同氏はそのハンドルネームが示す通り、「成長株投資」によって成功をつかむことができたという。60歳を過ぎた現在、約6億円の資産を持ち、年間5000万円ほどの不動産収入を得ているという同氏に、これまでの歩みを聞いた。
ウィリアム・オニールの著書との出会い
成長株テリー氏は1984年に大学を卒業し、社会人となってすぐの頃に株式投資を始めた。母親が投資をやっていた影響もあり、もともと興味があったという。最初のうちは少額でコツコツと株を買っていたが、1988年頃に当時保有していた伊藤忠燃料(2001年に伊藤忠エネクスに社名変更)の株価が一気に2倍に上がるなどして大きく儲かったことで、ますます投資にのめり込んでいった。
「バブルの頃までは割と順調に利益が出ていたのですが、バブル崩壊が始まった1990年頃から損失が出るようになり、『ちゃんと投資の勉強をしなければ』と思いました。そんななか、仕事でたまたまニューヨークに出張する機会があって、現地でウィリアム・オニール(米国人の著名投資家)という成長株投資のスペシャリストが書いた本を買ったんです。
本に書かれていた内容をもとに、ためしに自転車部品や釣り具を作っている『シマノ』の株が新高値(株価が過去の高値を抜いた時の値段)をつけたタイミングで買ったところ、半年くらいで株価が3倍くらいに上がりました。『ウィリアム・オニールの理論は日本株でも通用するんだ』と思い、それからは成長株投資がメインになりました」(以下、「」内は成長株テリー氏)
成長株テリー氏は1995年に外資系証券会社に転職。1998年頃からいわゆる「ITバブル」が始まり、米国のIT関連の成長株に重点的に投資するようになった。米国の情報を得やすい職場環境だったことも奏功し、同氏が保有していたIT関連株は軒並み上昇。1999年には運用資産が初めて1億円を超えた。