お米が獲れる時期まで在庫をもたせる
500円値上げから同額分の値下げとなった理由を同直売所で訪ねると、「本店の指示で6月16日から値下げしました」との説明。そこで本店である「JA兵庫みらい」の担当者に話を聞いた。
5キロ3500円が4000円となり、その後に4000円が3500円になった理由を尋ねるとまずは値上げについてこう説明した。
「当初、キロ700円(=5キロ3500円)で販売させていただいていて、売れ行きが好調だった。私たちとしては、直売所でコメを売るのは組合員のライフラインを守る、という意味があり、そうなるとお米が獲れる時期まで(在庫を)もたせるという役割もあるのかなと……。毎日多くのお客さんがいらっしゃって嬉しいことですが、このままいくと9月中旬までお米がもたないということで、値段を変えさせていただいた。値上げした分は、もちろん農家さんに還元します」
そのうえで、直近の値下げについては「これという理由は特にないのですが、うちの営業方針ですね。世間的に備蓄米の放出があって、売れ行きが鈍くなってきたので相談して従来の値段(5キロ3500円)に戻させていただいた」とする。
こうした状況に即応した動きは他のJAでも同様なものとなるのかを尋ねると「同じJAでも、それぞれがそれぞれの考え方で活動しているのでわからない」とのことだった。今後も大きな価格変動がありそうなだけに、各所の販売価格がどう推移するか、消費者は注視することが重要となりそうだ。
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