老後のお金「一目でわかる」整理術
「節約」に対する考え方をアップデートする
60才を過ぎたら、日々の生活の「節約」についても、見直しが必要になる。若い頃や子育てをしていた時代とは異なる視点へのアップデートをしよう。
「光熱費や食費を削るのは健康に直結しますから、注意が必要です。安価な食品ばかりを選んだり、エアコンの使用をがまんしたりすることは体を壊し、死にも直結します。“年をとると、食事の量が減るから食費がかからなくていいわ”と考えてはいけません。たんぱく質不足で認知症や骨粗しょう症を招くことが指摘されていて、意識的に栄養を摂らないといけない。食費や光熱費といった支出は抑えすぎず、衣服費など命にかかわらない費目の節約を心がけましょう。
社会参加も健康を助けるので、交際費も絞りすぎないように」(横川さん)
あらゆる整理がすんだら、やりっぱなしにするのではなく、記録し書き留めておくことが大切だと鈴木さんは強調する。
「口座やカードの番号、自宅や実家について、投資、年金、あらゆるお金についてどう整理したのかを遺言書やエンディングノートとして作成することをおすすめします。
人生100年時代でもいつかは誰もが死んでしまいます。その際に遺言書があれば、お金も人間関係もトラブルなく手続きできる。遺言書は何度でも書き直せますから、整理するたびに書き留めておくといいでしょう」
子供の頃から、身の回りの整理整頓はマナーのひとつとして教えられてきた。老後の生活のため、そしていつかやってくる死の後に家族が困らないために、お金の整理を始めよう。
※女性セブン2025年7月24日号