首都圏の私立の生徒が東北大や北海道大に大量合格し、地元の生徒が入れない事態へ
東京大学や早稲田、慶應といった大学の学生の多くが中学受験を経ている。小学校の頃から塾に通わせ、中学受験に約300万円をかけ、私立中学に入れてからも塾に通わせ、「課金」していく家庭の子供が難関大学に合格していくのだ。ゆえに東京大学の合格者のランキングの上位は私立中高一貫校が占める。
ペーパー試験一発勝負の一般選抜こそ、圧倒的に首都圏の「課金された」生徒が強い。
最近では、東北大学や北海道大学といった地方の旧帝大も、首都圏出身の学生が増え、地元の生徒たちが合格しにくくなっている。
ようはペーパー入試こそ、塾や個別指導などに課金できる富裕層が有利な入試なのだ。それは日本でもアメリカでもデータが示している。
厳然とした教育格差が存在する中で、それでも「ペーパー試験」は公平な試験といえるのだろうか。
今回はアメリカも日本も難関大受験で富裕層の子供が強いのは学力が高いからだということを説明した。次回記事では、日本の推薦入試はどうなのかということについて書いていきたい。
■第3回記事:《推薦入試は「首都圏の高所得層」が有利な入試なのか? 実は地方の高校生にメリットがある総合型選抜 情報格差の縮小も追い風に》に続く
杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/受験ジャーナリスト。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『大学受験 活動実績がゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)が2025年4月に発売。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)で連載をし、『週刊東洋経済』『週刊ダイヤモンド』で記事を書いている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも日々更新中。