ジャクソンホール会議に出席し、9月利下げの可能性を示唆したパウエルFRB議長(左側)。右側は植田和男日銀総裁=2025年8月22日、米国ワイオミング州(写真:Natalie Behring/Getty Images)
2025年8月に開かれた米カンザスシティー連邦準備銀行主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が早ければ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利下げに踏み切る可能性を示唆した。2024年末で休止した利下げが再開されるとどのような影響があるのか。新刊『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)が話題のおけいどん氏が、米国が利下げに踏み切った場合の相場の見通し、世界規模でこれから需要が伸びる有望な業界について解説する。
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毎年8月、米国ワイオミング州の景勝地・ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムは通称「ジャクソンホール会議」と呼ばれ、参加する中央銀行関係者などの発言が世界中から注視されるイベントです。今夏のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が9月にも利下げに踏み切る可能性を示唆しました。米国の利下げは株価にはプラス要因です。
ただ、株式市場の見通しを計るうえで一番に挙げられるポイントは、引き続き、トランプ大統領の動きと言えるでしょう。2025年4月の「トランプ関税ショック」が象徴するように、トランプ大統領の言動は株式市場を大きく左右します。とはいえ、株式市場にトランプ大統領の発言への耐性がついてきたことは安心材料です。以前ほどには、株価は反応しなくなってきました。
世界情勢も株式市場に影響しますが、ウクライナ・ロシア戦争の終息に向けてトランプ大統領が動いています。不安定な中東へも関与しています。台湾有事のリスクも忘れてはなりませんが、「トランプ氏が大統領である限り、中国は台湾に侵攻しないだろう」との報道があります。
株式市場にはプラスのこと、マイナスのこと、様々なことが起こります。「まさか」は起こると思っておいた方がいいでしょう。トランプ政権はあと3年半続きますので、トランプ大統領に逆らわない投資スタンスが良いと私は思います。トランプ大統領の任期中もその後も、需要が伸びる業界のトップ企業への投資が王道なのではないでしょうか。