おけいどん氏が「コア・サテライト戦略」を解説
投資で“億り人”というと個別株で大きな資産を築くイメージが強いが、年率5%の複利運用を狙える投資信託をコツコツ積み立てることも“億り人”につながる道と説くのは、世界の高配当株・増配株、ETF(上場投資信託)、投資信託などに長期投資して資産2.1億円を築いた“億り人”投資家・おけいどん(桶井道)氏だ。投資信託で年率5%の複利運用を狙う戦略がベースになるとするおけいどん氏に話を聞いた。
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私が小説仕立てで執筆した新刊『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)では、投資初心者の主人公が年率5%の複利運用を目指し、投資を学びながら“億り人”になるストーリーを伝えました。初心者が投資経験を積み、投資実績も上がってくると、より高いリターンを目指したくなってくると思います。
そこで今回は、年率5%の複利運用を基本としたうえで、より高いリターンを目指す投資戦略について説明します。
投資資金の一部で積極的な投資スタイルを取りながらも、全体では安定的に運用する「コア・サテライト戦略」という手法があります。投資資金を「守りの資産(投資)」であるコア(中核)と、「攻めの資産(投資)」であるサテライト(衛星)に分ける投資戦略です。
コアは長期では安定的なリターンが期待できる商品を対象とします。コアの一例が、年率5%の複利運用が期待できる投資信託です。「攻めの資産(投資)」であるサテライトは、コアの対象商品よりも高いリスクを取ることで高いリターンを求める商品を対象とします。コアで平均点を取り、サテライトでプラスαを狙います。そして、全体では平均点の上の投資成果を目指します。
仮にサテライトの投資先で急落が生じたとしても、「守りの資産(投資)」であるコアの投資先がしっかりと土台を築いているため、ポートフォリオ全体(運用資産額)へのダメージを少なくすることが期待できます。
コアとサテライトの配分は、個人の投資スタイルにもよりますが、基本的にはコアが70%以上、サテライトが30%以下になるようにするとよいでしょう。投資初心者ほどコアの比率を高め、サテライトを増やすのは経験を積んでからにするのが望ましいです。