日米など世界の高配当株・増配株に長期投資して資産2.1億円を築き、新刊『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)が話題の“億り人”投資家・おけいどん(桶井道)氏は、証券取引所に上場しているものの、個別株よりもリスクは小さいとされるETF(上場投資信託)での資産形成も実践している。ETFの魅力、厳選した分配金重視のETF5銘柄について、おけいどん氏が解説する。
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投資信託の一種でETF(上場投資信託)と呼ばれる金融商品があります。個別株と同様に証券取引所に上場しています。東証(東京証券取引所)に上場しているETFを東証ETF、米国の証券取引所に上場しているETFを米国ETFと呼びます。
一般的な投資信託は分配金をもらわずに再投資することができるのに対し、ETFは原則として分配金を出します(一部除く)。同じ指数(たとえば、S&P500など)に連動する投資成果を目指す金融商品のなかから投資信託かETFかを選ぶ場合、複利運用効果としては、分配金を出すETFより、分配金をもらわずに再投資する投資信託に軍配が上がります。複利運用でお金をより効率的に増やしたいのであれば、投資信託を選ぶのが定石でしょう。
しかし、投資は効率=数学だけでは判断できません。人間には感情(=不安に思う心)があり、配当が心の支えになることがあります。たとえば、暴落相場で含み損が膨らんでも定期的にもらえる分配金が心を穏やかにしてくれる場合もあります。また、分配金は自動的、かつ定期的に支払われる不労所得となり、リタイア後に生活費に充てることもできます。現役中でも定期的にもらえる分配金は副収入としてありがたい存在となるでしょう。
投資信託のような取り崩しを必要としないのもメリットと私は考えています。保有する投資信託の評価額が仮に5000万円の場合、もし月間で5%下落すれば250万円の価値が減ることになります。そのなかで1か月分の生活費を取り崩すのは、私なら不安になります。
分配金を副収入にすることや、不労所得で生活することに魅力を感じるなら、ETFに投資することも選択肢になるでしょう。
以上を踏まえ、今回は分配金重視の観点で注目する日米のETF銘柄を紹介します。