最新決算での注目企業は?(イメージ)
日経平均株価が高値で推移し、活況となる株式市場では大型値嵩株の動向に注目が集まりやすいが、中小型株の中には目をみはるような株価上昇を演じている企業もある。今回は、最新決算で今後の株価上昇を期待させる好決算を出している中小型の銘柄をピックアップし、個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
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株式投資の世界では、時価総額500億円以下の中小型株が短期間で大きな値上がりを見せることがしばしばある。
過去に記事の中で紹介した中小型銘柄の中でも、紹介してから今日に至るまでに何倍もの株価上昇を見せている銘柄が多数存在している。木徳神糧(2700)、ニッポンインシュア(5843)、ネットプロテクションズホールディングス(7383)、テクノ菱和(1965)、スマレジ(4431)、フィットイージー(212A)などがその例であるが、これらを記事でピックアップしたきっかけは「好決算」を出したということであった。
7月後半から8月半ばにかけても3200社を超える企業の決算発表があり、その中には「好決算」といえる銘柄を多数見つけることができた。
今回は、時価総額が比較的小さく、個人投資家が数万円から数十万円程度で投資できる銘柄で、この夏の決算で好決算を出し、かつ、今後の業績成長を期待できる中小型株を紹介したい。
ユニカフェ(2597) コーヒー製造会社としての強み
ユニカフェは、レギュラーコーヒー及びコーヒー加工品の製造販売を主力事業とするコーヒーメーカーである。8月14日発表の2025年12月期第2四半期累計決算では、前年比で売上+27.3%、営業利益2倍、経常利益2倍、純利益+97.8%、EPS+98%という大幅成長を遂げた。
また、この業績成長により、通期業績予想を従来予想から、売上+7.1%、営業利益+73.9%、経常利益+73.9%、純利益+71.4%の大幅に上方修正した。
同社の強みは、UCCグループの一員としての安定した事業基盤と、豊富な商品ラインアップ、顧客密着型の製造体制にある。UCCホールディングスの子会社として、長年培われたコーヒー製造のノウハウと安定した経営基盤を活用できる。飲食店、ホテル、オフィスなど多様な業態の顧客に対し、それぞれのニーズに応じたコーヒー製品を製造・提供している。コロナ禍で一時低迷したものの、経済活動正常化とともにオフィス需要や外食需要が回復し、同社の売上拡大を後押ししている。
また、販売戦略的にも、利益率の高いプライベートブランド商品の展開に力を入れており、ブランド力向上とともに収益性改善に大きく寄与している。そして、株主構成的にも、UCCジャパンと三菱商事の2社で株式の60%を占めていることで浮動株が少なく、業績が素直に株価に反映される期待をもてる。
今回の好決算の背景においては、売上高は、相場の上昇に合わせて得意先への販売価格を連動させることができ、利益面では、高付加価値製品の販売が増加したこと、製造経費の低減による収益性向上および販売管理費の管理強化を行い抑制したことにより、前回公表値を上回る見通しと公表している。
8月28日終値で時価総額は132億円とまだまだ小型銘柄であり、株価は956円と、まさに10万円で買える株であり、今後の業績成長と株価推移に注目していきたい。