夫婦で2つの墓守を担う負担を避けるには…(イメージ)
部外者だからとつい遠慮してしまいがちだが、何もしないと実親以上の面倒ごとが降りかかるのが「義父母の相続」だ。口を出すのをためらっていると、金銭的にも損するケースが珍しくない。揉めずにお墓や葬儀の手続きを進めるための交渉の鉄則を学ぶ。
「妻が祭祀承継者」を避ける墓じまいの意思確認
妻が長女や一人っ子の場合、夫が妻の実家の片付けを手伝うケースもあるだろう。特に代々の墓の片付けは大きな手間がかかる。都内在住の60代男性は妻が一人っ子で義父母から祭祀承継者に任命された。男性は長男なので自分の実家の墓も継がねばならず、夫婦で2つの墓守を担うことになった。相続専門の行政書士・中田多惠子氏が語る。
「妻にきょうだいがいない場合、義父母の墓がネックになりやすい。生前に義父母に意向を聞いておき、墓じまいや改葬を選択肢に入れておきましょう。その際、自分たちのお金は使わないこと。費用は必ず義父母に用意してもらうことが重要です」
生前に改葬すれば相続税対策にもなる。相続問題解決の専門家である夢相続代表の曽根恵子氏は指摘する。
「墓や仏壇などの祭祀財産は相続税非課税です。ただし、両親が生前に買った費用に限られ、今後墓を購入する費用として残した預金は相続税の対象になります」
墓の費用が200万円で相続税の税率が10%とすると、生前に購入すれば20万円の節税になることも知っておきたい。