財界で手腕が知れ渡る一方、自信家の顔も知られていたという(新浪剛史氏。時事通信フォト)
「(海外)出張が多く、時差ぼけがすごく多い。知人にすすめられ、睡眠を取るために服用していた。国内でも同様の商品が販売されていて、法を犯してはおらず、潔白だ」
9月3日、サントリーホールーディングス(以下・サントリー)の新浪剛史前会長(66才)は、代表幹事を務める経済同友会の定例会見で、無念さを滲ませながらこう述べた。
「新浪氏はこの会見の前日に、サントリーの会長職を辞任。8月22日に、福岡県警が違法な大麻成分を含んだサプリメントを輸入した、麻薬取締法違反容疑で新浪氏の自宅を強制捜査したことが理由でした。結果的に違法な薬物は確認されなかった」(全国紙社会部記者)
親交のある海外在住の女性の弟が福岡県警に逮捕されたことから、関与が疑われたという新浪氏。疑惑は立ち消えになるかと思われたが、事態を重く見たのが、サントリーの経営陣だった。
「新浪氏の出張中に取締役会で決議し、『退いてもらおう』ということで全員が一致。その理由は健康食品も扱う会社のトップが、捜査容疑のような疑義をもたれること自体が、経営者としての資質に欠けるというものでした」(前出・全国紙社会部記者)
三菱商事から、40代でローソンの社長に抜擢され一躍有名になった新浪氏。私生活では、複数回の結婚を経験しているという。
