人口増減予測で都内ベスト200・ワースト200に入っていない駅も
都営新宿線は「新宿」から千葉県市川市の「本八幡」を結ぶ路線だ。「新宿三丁目」「市ヶ谷」「浜町」「住吉」といった駅が連なり、都内を東西に横断している。沿線では再開発が進むエリアもあり、注目度は高い。
それゆえ、沿線の不動産価格の行方も注目が集まっている。国税庁が発表した「2025年(令和7年)分の路線価」では、東京都の標準宅地の平均変動率は平均8.1%増と全国平均を大きく上回った。とはいえ、少子高齢化の進行によって都内の人口もピークアウトに向かうと考えられるなかで、同一沿線内で勝ち負けの明暗が分かれる未来も予測されている。
そうした考えをもとに「駅」ごとの未来像を予測したのが、不動産コンサルタント会社リーウェイズのAI分析である。5億件以上の物件データと、国土技術政策総合研究所が2024年に公表した『将来人口・世帯予測ツール』をもとに、2025年と2035年の予測人口を比較。不動産価格と密接に関わるとされる人口増減を駅単位で算出し、ランキング化しているのだ。都内ベスト200とワースト200のうち、都営新宿線の駅に絞って分析すると、本八幡(千葉県)を除く都内20駅のうちベスト200にランクインしたのは9駅、同ワースト200に入ったのは3駅だった。
駅自体のブランドを評価
上位の駅には再開発が進む浜町や江戸城(皇居)の東側に位置する城東エリアでJRの駅も近い菊川、森下などが並んだ。「基本的に不動産価格は需給バランスで決定され、人口増減はその地域の不動産価格に直結する重要な要素になる」とする不動産市場に詳しい株式会社さくら事務所代表取締役副社長でCOOの山本直彌氏の協力のもと、ランキングを読み解いていくと、同氏は「ベスト200、ワースト200のいずれにも入っていない駅のなかにも、評価の高い駅はある」との解説がなされた。